2019年11月20日、二の酉で賑わう渋谷・宮益坂を横目に向かったのはライブハウス・shibuya HOME。アメリカから2組のアーティスト BONNIE BLUE と Meganoke を迎えて開催されたイベントDigital Surfin’に参加する為だ。いわゆるクラブ的なイメージを最初はこのイベントに持っていた筆者だが、良い意味で裏切られたライブの様子を今回はレポートする。
Contents
Digital Surfin’ 出演者
2019年11月20日ライブハウス・shibuya HOMEで開催されたイベント「Digital Surfin’」のラインナップは以下の通り。
Primula http://primulakyun.com/
沖メイ(ZA FEEDO) http://za-feedo.com/
BONNIE BLUE (from U.S.) https://www.bonnieblueworld.com/
Meganoke (from U.S.) https://www.meganoke2019epk.com/
【DJ】KIM from UHNELLYS https://uhnellys.bandcamp.com/
全体的にクラブを主戦場にするアーティスト達のライブ・イベントである。筆者が到着したのはちょうどPrimulaの演奏が始まった辺り。
アーティスト・キャッチコピーにある様に、正に「思春期 & 青春エレクトロニック」な、独特な浮遊感のあるPrimula のサウンドにまずは身体を預けた。
沖メイ(ZA FEEDO)
2番目にステージを務めたのは、沖メイ。彼女はバンド ZA FEEDOで通常は活動しているとの事だが、現在バンドが休止中により、当日は1人でのパフォーマンスとなった。
作りこんだベーストラックをバックに、ステージ上でエフェクトをかけつつパフォーマンスをする沖メイ。「歌に集中したい為、このスタイルでやっている」と語っていた彼女の言う通り、その澄んだ声と凛とした佇まいが非常に印象的なステージだった。
彼女は現在 Music Review Site MIKIKI で連載を持っているので、興味があればぜひチェックして欲しい。
【沖メイのサウンズ・オブ・クリーチャー】第1回 私と音楽と生き物
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/22515
また2016年の記事にはなるが、沖メイも含む新世代の女子ミュージシャンのインタビューも同サイトに掲載されている。彼女の音楽へのスタンスが見えるインタビューなので、ぜひこちらも併せてチェックして欲しい。
ディーヴァでも宅録女子でもない! ZA FEEDO × TAMTAM × ものんくるの紅一点が示す、新時代にあるべき女性ミュージシャン像
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12340
BONNIE BLUE (from U.S.)
3番目に登場したのはアメリカからのBONNIE BLUE。彼女は 2012年に“Urban Underground Honors”の「ベスト女性ソロMC賞」を受賞している、南カリフォルニアのヒップホップ/ポエトリー・シーンをリードする女性アーティストだ。
今回、彼女のバックトラックDJはMeganokeが務めたが、通常は別々で活動しているとの事。 MVでは非常にゴージャスな印象だが、ステージではその小さな身体(恐らく身長は150cm前後くらい?)から、ポジティブなエネルギーをこれでもか!と放出するパフォーマンスを見せてくれた。
特に筆者の印象に残ったのが彼女のアルバム「All Things Considered」に収録されている彼女の名前がタイトルになった「Bonnie Blue」と言う楽曲だ。
♪You know Who I am? Bonnie Blue♪と歌う彼女。愛、友情、自分自身の信条を「私が誰だか知ってる? Bonnie Blue よ!」と胸を張って高らかに、それでいて誰かを攻撃するわけではなくフレンドリーにオープンに歌い上げるBonnie Blueは、はじける花火の様に、そのポジティブなエネルギーをステージでキラキラと輝かせていた。
【Bonnie Blue:Set List / 2019.11.20】
Massive Attack
Wake Up
Spirit Animal/Good Luck medley
Since you’ve been gone
On the Edge
Morals
R U listening
Bonnie Blue
Storms
Home
アリゾナ出身で、現在はカルフォルニアを中心にウエスト・コーストで活動するBonnie Blue。彼女が日本文化に出会ったのは学生時代だそうだ。交換留学生を通じて知った日本の文化、特にアートや建築、ファッション等に興味を持ち、現在はInstagram等を通じて情報をチェックしているとの事。
今回が初来日と言うので、日本の印象を聞いてみると「ファッシネイティングで最高!」と、最高の笑顔で答えてくれた。
Meganoke (from U.S.)
最後に登場したのはMeganoke。彼女のちょっと変わった名前は、実は「もののけ姫」からインスパイアされているらしい。
Fashion x Film x Music = グローバル ビジョン と謳う彼女のステージは、不思議とオリエンタルな雰囲気すら感じる内容だった。
「アメリカ人シンガーソングライター、そしてプロデューサーでもあるメガノケの、激しいビートとサイレーンのようなヴォーカルが絡み合った独特なサウンドは、あなたをノスタルジックな過去に浸らせ、そしてオープンな未来へと誘います」と言う紹介文が彼女のプロフィールにはあるが、正にその通りだった。
筆者は、彼女のサウンドから 攻殻機動隊の様なアニメや、NieR Automataの様なゲームのサウンドトラック的なイメージを受けた。何故か不思議と彼女のサウンドからは、アメリカ的な匂いは感じられず、冒頭にも書いたがどこか無国籍でオリエンタルな雰囲気さえ感じた。
Meganokeはユタ生まれだが、テキサス州・オースティンで育ったとの事。オースティンと言えば毎年3月に行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」で知られる都市だ。
彼女にSXSWから受けた影響はあるか?と質問したところ、大変興味深い答えが返ってきた。
「音楽で溢れている街 オースティンで育ったから逆に自分自身の音楽を見出し、オースティンで自分の音楽で注目を集める事は難しかった。だから私は自分のバンで、西から東へ、北はカナダから、海を越えてレイキャビク、ロンドン、オスロ、ベルリン、パリ、そしてソウルまで旅をして、音楽活動をしたの。
様々な街や国を訪れて経験を積み、自分のスタイルを作り上げていった。だから私の音楽はユニークで、ある意味アメリカ的では無い。そこが逆に日本のカルチャーにも合うのかもね」
【Meganoke:Set List / 2019.11.20】
Pink dolphin
10,000 lvkes, killed it
Wonderful way
Dope Ryder
Fxnal
Oscuridad
Tour for days
Mnstr day
Meganokeは小さい頃に白い犬を飼っていたそうだ。それが「もののけ姫」のモロの君に似ていると友達に言われた事から、ジブリのアニメ等に興味を持ち、そこから日本の文化へも興味を持ったとの事。
因みに日本の食べ物で好きなのは「ラーメン」だそうだ。
Japan Tour
Bonnie BlueとMeganokeは、2019年11月21日そして22日にもライブを日本にて行う。詳しくは以下リンクにてチェックして欲しい。
https://mailchi.mp/3d4b0b00ac83/meganoke-fxnal-worldwide-video-release-4686069
※11月22日のライブは、急遽都合によりBonnie BlueとMeganokeの出演は中止となりました。
11月21日(TOKYO)BLACK HORSE “DRIP DRILL VOL 2”
<LIVE> BONNIE BLUE (USA) / MEGANOKE (USA) / CALUMECS / TEFFENYOSHIKI / ISIXTEEN GANG / MECCA / SHANTEL SOLE / KENTA SOUND / CHOCOLATE PAPA / RASHEL / ONE TWENTY
Open 10:00pm Close 5:00am
Door ¥1500 (+1drink)
Address: B1, 3−14−12 Roppongi, Minato-ku, TokyoWeb: www.instagram.com/blackhorsejapan
11月22日(OSAKA)PARA-DICE “NATIVE BOY PRESENTS『 カ イ コ ウ 』”
※急遽都合によりBonnie BlueとMeganokeの出演は中止となりました。
<LIVE> MEGANOKE(USA) / BONNIE BLUE(USA) / NATIVE BOY / ANYO / WEIRD / NO DOPE
Open 18:00 / Start 18:30
Door ¥1700
Tickets: paradice.osaka@gmail.com
Address: B1, 4-7-30, Tenjinbashi, Kita-ku, Osaka
Web: para-dice.net
日本のデザイナー・チーム ANGRM
今回のBonnie Blue and Meganoke の Japan Tourは、日本のデザイナー・チーム ANGRM がサポートをしている。
彼らはMeganokeのグッズ等も制作しており、今回の来日でも彼女達と写真やビデオの撮影を精力的に行っている。11月21日そして22日開催のライブに行ったら、ぜひグッズにも注目して欲しい。
ガールパワー
今回のイベントで筆者が一番感じたのは「ガールパワー」だ。日本語に訳してしまうと「女子力」となってしまうが、いわゆる「女子力」とは少し意味が違う。明るく、ポジティブな、生きる力と言ったらよいだろうか。
Meganoke、Bonnie Blue、そして沖メイも含む、自分たちの足でしっかりと立ち、自分たちのやりたい事を貫く女性のパワー=ガールパワーを強く感じたライブ・イベントだった。