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コンサート「日本の響」フォトレポート(特集)和楽器による、和楽器の垣根を軽々と超えた多様な音色

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2021年12月17日牛込箪笥区民ホールで開催されたコンサート「日本の響」。出演は国際的にも活躍する尺八奏者 中村明一が率いる日本音楽とプログレッシブ・ロックを融合させたバンド FOREST (フォレスト)と、多ジャンルのアーティストや芸能人とのコラボレーションも実現している和太鼓グループ彩 -sai-。2組が奏でた和楽器による、和楽器の垣根を軽々と超えた多様な音色。そのコンサートの様子をフォトレポートにて紹介する。


コンサート
日本の響

2021年12月17日(金)東京・牛込箪笥区民ホールで開催された、邦楽と和楽器の魅力を伝えるコンサート「日本の響」。

和楽器の名手が一堂に会する日本で唯一のイベントである 「日本の響」 は、草加市文化会館で2020年までの5年間、同名タイトルで毎年開催されていた。本公演はその再出発公演となる。

当日は、コロナ禍による制限はあるものの、多くの観客が会場に足を運んだ。

なお、本公演は2021年12月27日よりアーカイブ動画配信される。チケットは2021年12月26日まで購入可能だ。詳しくは以下リンクにてご確認頂きたい。

Peatex
https://nihon-no-hibiki2021.peatix.com/ 

※動画視聴URLは、配信開始日前までに送信され、配信期間中 動画は何度でも視聴可能。
※当日来場された方は、チケットに配信動画視聴特典がついているので、別途チケットを購入しなくても視聴できる。

FOREST

当日、最初にステージに登場したのは、 尺八奏者 中村明一が率いる日本音楽とプログレッシブ・ロックを融合させたバンド FOREST (フォレスト) だった。

メンバーは、モルドバ共和国生まれ、13ヶ国語をカバーするボーカリスト ヴィオリカ・ロゾブ/Viorica Lozov、即興や現代音楽等ジャンルフリーで表現する筝奏者 山本亜美(二十五絃筝)、東京フィルハーモニー、クィーン、ドリーム・シアターとも共演したギタリスト ティム・ドナヒュー/Tim Donahue、プロデューサーとして数々のサウンドトラック、CM等の作曲を手掛け、近年は主に中国で活躍するキーボーディスト 吉田潔(Syn)、ジャズやクラシックを学び、米国内外の多様なジャンルバンドにも参加しているベーシスト デレク・ショート/DEREK SHORTと、正に多様だ。

そして今回は、手数王として知られ、FORESTのメンバーとしても活動。今年11月に多くの人に惜しまれながら亡くなったドラマー 菅沼孝三が、中村明一に託した若干17歳の天才ドラマー 片山晴翔(かたやまはると)も出演。

中村明一と片山晴翔の年齢差は50歳以上と、国境も年代も超えたバンド編成となった。

左・中村明一
右・片山晴翔

Set List

  1. 薩慈
  2. Magnetic Fantasy
  3. 不思議の森の物語
  4. Close your eyes
  5. 21st Century Schizoid Man
  6. Luna

フォトレポート

All photos by Kaoriko “ossie” Hanawa

中村明一(尺八)

邦楽ジャーナル編集長 田中隆文氏による解説の後、FORESTのステージは中村明一氏による虚無僧尺八の古典曲「薩慈」の演奏から始まった。

続くMagnetic Fantasyで、ステージに登場したのは眼にも鮮やかな真っ赤なドレスを身にまとったボーカルのヴィオリカ・ロゾブ。

13ヶ国語をカバーする彼女の、透き通っていながらも力強い歌声が会場に響渡ると、それまでの和の世界から空気が一変。多様なリズムとメロディーに彩られたプログレッシブ・ロック的サウンドが繰り広げられた。

ヴィオリカ・ロゾブ/Viorica Lozov(Vo)

片山晴翔(Dr)

吉田潔(Syn)

ティム・ドナヒュー/Tim Donahue(G)

デレク・ショート/DEREK SHORT(B)

山本亜美(二十五絃筝)

「不思議の森の物語」、山頭火の詩に曲をつけた「Close your eyes」が続いて演奏された後、中村が次に演奏する曲を紹介した。

それは、今回の目玉でもあるイギリスのプログレッシブ・バンド King Crimson(キングクリムゾン)の名曲「21st Century Schizoid Man(21世紀のスキッツォイド・マン)」のカバー。

リズムが複雑で、世界的にも難曲と言われているこの楽曲を、17歳ドラマー片山晴翔を含むFORESTのメンバーは、高いテクニックを駆使し息のあった完璧な演奏で、会場を圧倒した。

さらにFOREST ステージ最後の曲「Luna」では、和太鼓グループ彩-sai-から葛西啓之が参加。

太古の響を思わせる深い太鼓の音色と、古代の巫女の様なヴィオリカ・ロゾブの歌声、箏、尺八、エレキギター、ベース、ドラム、キーボードが奏でる多様な音色とリズムが絡み合い、壮大な世界が繰り広げられた。

「21st Century Schizoid Man」から「Luna」と言う、高い演奏スキルが求められる難曲2曲 約19分弱は、正しく息をのむ展開だったFORESTのステージ。

この驚異のサウンドは12月27日からのアーカイブ動画配信で、ぜひチェックして欲しい。

アーカイブ動画配信 詳細
https://nihon-no-hibiki2021.peatix.com/

FOREST
演奏終了後

FORESTのステージ終了後に、ゲスト出演した和太鼓グループ彩-sai- 葛西啓之と、若きドラマー片山晴翔に感想を聞いた。

葛西啓之

尺八 中村明一先生と一緒のステージ、さらに共演できたのは光栄でした。中村先生が生み出す空気感は本当に特別なので、緊張感を持ちつつ、演奏を楽しませて頂きました。

和太鼓は割とシンプルなリズムが多いので、変拍子の多いFORESTさんの楽曲を演奏するのは、私にしてみれば挑戦と言う感じです。ドラムとのユニゾンもありますが、和太鼓らしい低音で魅せる事が出来たなら幸いです。

片山晴翔

自分の出来には満足はしていませんが、今回のFORESTのステージは凄く楽しかったです。

今日の本番だけでなく、全てがとても勉強になりました。この経験を、ぜひ今後に生かしていきたいです。

和太鼓グループ
彩-sai-

休憩を挟み、邦楽ジャーナル編集長 田中隆文氏の紹介により始まった和太鼓グループ彩-sai-のステージ。

事前に発表されていたメンバー塩見岳大は、持病の腰痛の為 大事をとって出演を見送り、当日は葛西啓之、齋英俊、渡辺隆寛、酒井智彬、鈴木海、尾関龍河と言うメンバーでの演奏となった。

Set List

  1. 晴れ囃子
  2. 祭宴
  3. BEAT3
  4. 隠れ里
  5. 大太鼓
  6. 小次郎
  7. ZIRAIYA

フォトレポート

All photos by Kaoriko “ossie” Hanawa

拍子木から賑やかに始まった彩のステージは、笛、鳴り物、掛け声と様々な音色の太鼓の響きが混ざり合い、明るく、はじけるような瑞々しさに溢れていた。

齋英俊

尾関龍河

鈴木海

渡辺隆寛 

3曲目の「BEAT3」は、葛西、齋、渡辺の3人による演奏。不思議な事に彼らの演奏を聴いていると、和の響でありながら、ラテン的な明るくエネルギッシュなイメージが思い起こされた。

力強く楽しさに溢れた「BEAT3」に続いては、一転して繊細な響きの篠笛による「隠れ里」が披露された。

酒井智彬

大太鼓、そして6曲目「小次郎」の演奏後、改めて葛西啓之が挨拶をし、今日この場で演奏する喜びを語った。

和太鼓グループ彩-sai- 最後の演奏曲は「ZIRAIYA」。

明るくエネルギーに溢れた彼らの演奏により、45分のステージは、あっという間の出来事に感じられた。

アーカイブ動画配信

本公演は2021年12月27日よりアーカイブ動画配信される。チケットは2021年12月26日まで購入可能。詳しくは以下リンクにてご確認頂きたい。

Peatex
https://nihon-no-hibiki2021.peatix.com/ 

※動画視聴URLは、配信開始日前までに送信され、配信期間中 動画は何度でも視聴可能。
※当日来場された方は、チケットに配信動画視聴特典がついているので、別途チケットを購入しなくても視聴できる。

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おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/