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reading note 活動休止前ワンマンライブ「僕はここにいるよ」 ライブ・レポート / ファンとバンドが見つめあった全20曲

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reading note 活動休止前ワンマンライブ「僕はここにいるよ」完全レポート

ファンはバンドを、バンドはファンを、ただ、ただまっすぐに見つめた全20曲、約2時間。reading note活動休止前ライブ「僕はここにいるよ」は、2005年大阪で結成された彼らが走り抜けた14年間を総括する様なライブだった。

Reported by Tomoko Davies-Tanaka
Photo by 中山優司

2019年6月29日土曜日 Shibuya O-WEST

2019年6月29日土曜日。雨が降ったり止んだりの梅雨らしい天気の中、会場であるShibuya O-WESTのドアは18時半にオープンした。

また降り出した雨の中、入り口導線を飾る華やかなスタンド花に見送られ、会場への階段を上る人々の顔には複雑な感情があらわれていた。

開演は19時、フロアは次々に来場するファンで埋め尽くされてゆく。ステージ上のスクリーンには、来るべき時を待つようにバンド・ロゴが静かに映し出されていた。

それぞれが楽器を手に取り、素早くセッティングをした後、改めてドラムの前に4人が集まり手を重ね合わせる。ほんの一瞬の出来事だが、彼らの今夜にかける意気込みが強く感じられた。
ドラムの前に4人が集まり手を重ね合わせる。

会場に流れていたBGMが一瞬大きくなり、照明がほの暗く灯されるとベースの中井真貴、ギターの遠藤タカヒロ、サポートドラマーのリンタロウが姿を現し、最後にボーカル&ギターの平田勝久がステージに登場した。

それぞれが楽器を手に取り、素早くセッティングをした後、改めてドラムの前に4人が集まり手を重ね合わせる。ほんの一瞬の出来事だが、彼らの今夜にかける意気込みが強く感じられた。

ドラムの響きと共にMusic Videoがスクリーンに映し出され始まった1曲目は、彼らの代表曲でもある「性癖」。

1曲目は「性癖」

ドラムの響きと共にMusic Videoがスクリーンに映し出され始まった1曲目は、彼らの代表曲でもある「性癖」。

「未来なんて探さないで、心なんて覗かないで、見えるモノが全てじゃない、だからその目を閉じて、ねぇもっと感じてみて…」スクリーンに映し出された歌詞と完璧にシンクロする歌声。

活動休止前の彼らの一挙手一投足を見逃さない様にと、身じろぎもせず食い入るようにステージを見つめるファン達に、この言葉は今日どんな風に響いたのだろうか?

MCを挟まず続けて演奏された2曲目の「人間味」では、本格的導入は今回が初と言うVJによる鮮やかな映像がファンの背中を押したのか、手拍子が波にのり、曲の勢いを加速させる。

真っ赤な照明と激しいギターが炸裂した3曲目の「ケダモノ」の後、今夜初の言葉がボーカル&ギターの平田から発せられた。「一生忘れられない夜にしましょう。」それは手短ではあったが、様々な想いが込められた挨拶だった。

reading note 平田 勝久 (Vo./G.)

VJの映像に彩られ「インスタントマイワールド」「サカサ」が演奏され、続く6曲目の「エクストラタイム」のサビでは、ファン達がステージに腕を延ばす。それはお決まりのアクションではあるが、今夜はまるでこの瞬間を留めたい、つかみ取りたいと必死にもがいている様にも見えた。

reading note 中井 真貴 (Ba.)
reading note 遠藤 タカヒロ (G.)

畳みかけた前半の後、ライブは中盤戦へ…

そんな切なくも狂おしい空気感をあえて無視する様に、飄々と話し始めたのはベースの中井。ギターの遠藤や平田とのゆるいトークが笑いを誘い、会場は一気にリラックスムードに包まれた。

サポートドラマー リンタロウ
(aquarifa)
サポートドラマー中江太郎
(butterfly in the stomach)

前半の激しい流れを少し緩めるように「リリー」「プール」「花」とミッド・テンポの曲を3曲演奏した後、サポートメンバーでドラムのリンタロウ(aquarifa)が紹介され、さらにもう1人のサポートドラマー中江太郎(butterfly in the stomach)もステージに呼び込まれる。

思い出話も交えながら和気あいあいとした会話が続いた後、中江もパーカッションで参加し、reading noteが不定期で行っていたイベント「深呼吸」を再現したアコースティック・セットで「たゆたう」「呼吸」「兆し」の3曲が披露された。

途中、平田のMCが予定されていた様だが、涙をこらえているのか、マイクの前に立って話をする事が出来ず、咄嗟にベースの中井が始めたトークは、なぜかギター遠藤の宇宙人との遭遇の話。メンバー同士の阿吽の呼吸が感じられた一幕だった。

アコースティックセットの後、会場は一気に加速した…

アコースティック・セットの後、こみ上げる想いを振り切るように演奏されたのは「clap hands」。ファンの大きな手拍子と共に会場が一気に一体感に包まれる。

続いて「あの頃が良かったって思う事もあるけど、今が全然どうしようもない自分であっても、愛そう…そう言う曲です。」と曲紹介の後に演奏されたのは「食べ頃」。

身体を激しく揺らしながらマイクに向かう平田が一瞬 声を詰まらせ、ジャケットの袖で顔を拭う。フロアでも目頭を押さえるファンの姿がチラホラ見える。

ステージもフロアも残された時間を愛おしむ様に、会場に響き渡るreading noteのサウンドを全員が全身で受け止めていた。

「reading noteって言うバンドを組んで、もう14年経ちました」そう話し始めた平田がバンドの歩みを振り返る。

「2019年6月29日Shibuya O-West、本当に沢山の人が来てくれて、俺らやってきたこと間違ってなかったなって今、ムチャクチャ思ってます。本当にありがとう。14年間このステージの上に立ってきて、全然俺がすごいわけじゃなくて、ここに居るあなたが俺たちの音楽を好きでいてくれたから、こうやって14年間もバンド続けられたんやと思います。」と、一つ一つの言葉をかみしめる様に語る。

この活動休止を決めるまで、今日のライブを迎えるまで、様々な想いがあったのだろう。本編最後に演奏された曲「エンドロール」ではVJによりスクリーンに歌詞がまさしくエンドロールの様に流れた。

「いつかは忘れゆくものであっても、あの日のままで」それが彼らの、reading noteの、そして活動休止ライブを見守ったファンの想いではないだろうか。「あの日」が新しく動き出す時まで。

reading note 活動休止前ワンマンライブ
「僕はここにいるよ」 CD/DVD リリース

アンコールも含めた全20曲を完全収録したライブCD/DVDが、完全予約制・受注販売によりリリースされる。

予約受付期間は2019年6月29日~2019年7月31日まで、発送は9月上旬を予定との事。詳細はreading noteのofficial websiteに掲載中なので、ぜひチェックして欲しい。

reading note official website https://www.readingnote.net/

2019年6月29日・reading note 活動休止前ワンマンライブ「僕はここにいるよ」
【出演】
  • reading note
    平田 勝久 (Vo./G.) / 遠藤 タカヒロ (G.) / 中井 真貴 (Ba.)
  • サポート
    Drums: リンタロウ(aquarifa)
    Percussion: 中江 太郎(butterfly in the stomach)
    VJ:久保山 梨恵 (INITIUM)
【セットリスト 】
  1. 性癖
  2. 人間味
  3. ケダモノ
  4. インスタントマイワールド
  5. サカサ
  6. エクストラタイム
  7. リリー
  8. プール
  9. たゆたう
  10. 呼吸
  11. 兆し
  12. clap hands
  13. Q
  14. 食べ頃
  15. エンドロール

アンコール

  1. 五月の雨
  2. name
  3. なにもない部屋
  4. 性癖 ※急遽追加
ABOUT ME
おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/