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映画「彼女来来」がJAPAN CUTS映画祭にて「大林賞」を受賞。若手実力派俳優 前原滉/天野はな/奈緒×新鋭監督 山西竜矢による初長編映画

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劇作家・演出家として注目を集める山西竜矢が、映画監督を務めた初長編映画『彼女来来(カノジョライライ・ 英語タイトル Mari and Mari) 』が、北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」コンペティション部門「Next Generation」にて、大林宣彦監督の名を冠した「大林賞(Obayashi Prize)」を受賞した。

本記事では審査員及び 山西竜矢監督のコメントも併せてご紹介する。


JAPAN CUTS

JAPAN CUTSは2007年に設立された、アメリカ・ニューヨークの Japan Society が主催する、現代の最も素晴らしい日本映画を上映することを目的とした、1年に1度開催される映画祭。

Japan Cuts Website
https://www.japansociety.org/arts-and-culture/films/japan-cuts-festival-of-new-japanese-film

第15回目となる2021年は、昨年2020年の完全オンライン化に続き、Japan Societyのバーチャル・シネマを通じて、スタジオ映画、インディペンデント映画、ドキュメンタリー、ショートフィルム、アバンギャルドな作品など日本の優れた新作映画を、8月20日~9月2日の14日間にわたり全米の観客に紹介する。

Next Generation
大林賞 / Obayashi Prize

同映画祭唯一のコンペティション部門であり、新人監督作品を特集する「Next Generation」には、2021年は『彼女来来』の他、『佐々木、イン、マイマイン(内山拓也監督)』、『夏、至るころ(池田エライザ監督)』、『スパゲティコード・ラブ(丸山健司監督)』、『愛のくだらない(野本梢監督)』、『B/B(中濱宏介監督)』が選出された。

Next Generation Webpage
https://film.japansociety.org/page/next-generation-2021/

そして、映画業界の専門家である審査員たち(Don Brown, Kyoko Hirano, Brian Hu)から最も評価された作品として 『彼女来来(Mari and Mari) 』 が選ばれ、故・大林宣彦監督に敬意を表した「大林賞 (Obayashi Prize) 」が授与された。

審査員コメント

山西竜矢監督は、絶妙な視覚と聴覚のデザイン・演出により魅力的で別世界のミステリーのような人間の本質や家庭の不安に対する考察を描いています。

本作品では、平凡な環境が不安によって変化するという主人公の感情的な旅を通して、映画表現の可能性を追求しています。

『彼女来来』は、日常生活における微妙な人間関係を描くという日本映画の伝統を踏襲しつつ、Jホラーの要素を加えることによって世界を取り巻く現代の不安や不確実性を表現しています。

世界の映画史では、人間のファンタジーへの欲求とリアリズムの追求を組み合わせたものを課題としますが、本作はこの課題に巧みに取り組んでいます。


With exquisite visual and auditory design, Tatsuya Yamanishi creates an enticing and other-worldly mystery of human nature and reflection on domestic insecurity.

This film explores the possibilities of cinematic expression through the emotional journey taken by its protagonist, with mundane surroundings transformed by apprehension.

Mari and Mari follows a tradition in Japanese cinema of portraying subtle human interactions of everyday life, aided by elements of J-horror to express contemporary anxieties and uncertainty looming over the world.

The history of world cinema combines human desire for fantasy and a pursuit of realism, and Mari and Mari deftly undertakes this task.

審査員

  • Don Brown
    (ドン・ブラウン)
    Japanese film subtitler & translator
  • Kyoko Hirano
    (平野恭子)
    Film scholar
  • Brian Hu
    (ブライアン・フー)
    Artistic Director of Pacific Arts Movement

監督 山西竜矢
コメント

JAPAN CUTSのNext Generation部門にて「彼女来来」が大林賞を受賞させていただきました。

知らせを聞いて、本当に嬉しく、大変驚いています。

撮影が行われた昨2020年は、コロナ禍の始まりの年でした。苦しく、先が見えない不安定な状況の中での制作で、このような賞をいただけることになるとは思いもしませんでした。

完成さえできれば。当時はそれしか考えていなかった気がします。言うまでもなく、そんな状況で取り組んだ初めての長編作品で評価を得ることが出来たのは、共に映画を作りあげてくれた、優れたキャスト・スタッフ一人一人の力のおかげです。仲間たちを、心から誇らしく思います。

また、本作は、私が個人的に体感した人間社会の仄暗い部分を、物語として映像に落とし込んだものです。

大変な時期を励ますポジティブな内容とは言い難い作品ですが、いつかの自分がそうだったように、そのような内容にこそ癒される方、救われる方もいるのではないか。そんな風に信じてやってきたことが一つの形として認めていただけて、大きな励みになりました。

今後は、大林監督の名を冠したこの賞の重みを胸に、より真摯に創作に携わってまいります。

最後になりましたが、JAPAN CUTSの皆様、審査員の皆様、そしてこの映画に関わってくださった全ての皆様に、深く、心より感謝いたします。本当に有難うございました。

プロフィール

山西竜矢(やまにし たつや)
演劇ユニット「ピンク・リバティ」の代表をつとめ、劇作家・演出家としても注目を集める

ピンク・リバティ
https://www.pink-liberty.com/

映画「彼女来来」
(カノジョライライ)

あらすじ

きえたマリ、あらわれたマリ─二人のマリに翻弄される男の葛藤を描く

都内郊外のキャスティング会社で働く男・佐田紀夫、30歳。彼は交際三年目になる恋人・田辺茉莉と、穏やかな毎日を送っていた。

ある夏の日。紀夫が家に帰ると、窓から強い夕陽が差し込んでいた。焦げるようなその日差しを目にした瞬間、紀夫は奇妙な感覚に襲われる。

気付くとそこにあるはずの茉莉の姿は無く、代わりに見知らぬ若い女がいた。困惑する紀夫に、女はここに住むために来た、と無茶苦茶なことを言う。透き通るような白い肌のその女は「マリ」と名乗り─

突然失踪した恋人を探しながら、別人との奇妙な関係に迷い込んだ男を描く、奇妙さと写実性を両立した恋愛劇。

キャスト
スタッフ

活弁シネマ倶楽部
映画『彼女来来』
山西竜矢監督

“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」2021年6月26日公開、山西竜矢監督が語る!!男女関係で起こる普遍的な出来事が詰まった物語映画『彼女来来』

https://onigirimedia.com/2021/08/20/mari-and-mari/

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おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/