マルチアーティストVaundyとクラウド型のフォントサービス「Morisawa Fonts」がコラボレーション。あらゆるフォントが一覧できる「見本帳」を起点に、思いを伝えたい男女の様子が描かれるミュージックビデオを2022年11月28日公開した。楽曲の「置き手紙」は本コラボ用の書き下ろし。映像制作は、NHK朝ドラのオープニングや「らくがきAR」を手掛けるWhateverが担当。
新曲「置き手紙」
ミュージックビデオ
11月28日に公開した「置き手紙」のミュージックビデオは、これまでのリリックビデオとは一線を画した「フォントの見本帳(Fonts Specimen)」のように多様なフォントで歌詞を彩るFont Specimen Music Videoとのこと。
現実世界で距離を置いて座っている男女が「フォントの見本帳」の中にイラストとなって登場し、ゴシック体や明朝体をはじめとした77種類ものフォントで表現される歌詞とともに、駆け出したり、手を伸ばしたりと自由に動き回る。
歌詞が持つ意味や重み、儚さ、強弱などに合わせて多様なフォントを使い分けることで、躍動感あふれるMVに仕上がっている。
演出は独創的な作風で知られる映像ディレクターの牧野惇。本作では牧野監督が今回新たに編み出した「クラフトモーション」が使われている他、紙を破いたり、重ねたり、くしゃくしゃに丸めたりと、様々な技法で世界観を演出している。
「Vaundy×Morisawa Fonts 『置き手紙』
Font Specimen Music Video」特設サイトhttps://okitegami.morisawafonts.com/
リリース情報
- タイトル
「置き手紙」 - アーティスト
Vaundy - リリース日
2022年11月28日 - リリース形態
デジタル配信 - 配信先リンク
https://ssm.lnk.to/okitegami
Vaundy
特別インタビュー
――オファーをもらった時の感想を教えてください。
(モリサワと)関われると思ってなかったんですよ、正直。いつもモリサワフォントを“使う側”だったので、今回は“使ってもらった側”に近いと思っていて。使っていたもの、使っていた会社とか企業と一緒に仕事ができるというのは、やっぱりワクワクしますよね。
僕の友達も、知り合いでもデザイナーでも、モリサワと言ったら、「あ~あのモリサワ!?」みたいな反応になるので、そういう意味でも「俺、モリサワと仕事したんだ…!」という気持ちです。
――楽曲のこだわりポイントについて教えてください。
もともと「置き手紙」という曲を作っていて。ワンコーラスしかなかったので、今回のお話をもらって最終的に完成させたという感じです。なので最初のイメージとは全然違うものになってるんですよ。
もちろんこのお話をいただいてから仕上げたので、「ん~このエンドだと普通過ぎてつまんないな」と思って、最初に考えていたエンドからは全く別のものに変えて、不老不死の二人の話になりました。
もともとは、もっと平凡な二人の話で、二人がお互いに言葉にできない様子を思い描いていたのですが、それよりもうちょっと言葉で遊んでみたいなと。やっぱり絵本とか本とか、アンリアルを描くものに文字は必要だと思っていて、説明的になるというか。
なので、(この楽曲は)メルヘンである必要があるなと。(不老不死の設定になったのは)「不死の病」とかパンチラインになる言葉も必要だと思ったのもあります。
意外とそういうものがモノづくりには大事だったりするので、ちょっと「ん?」ってなるけど読んでみたら「あぁ~なるほど」ってなるような、第一印象が“良い悪い”じゃなくて、第一印象が“強い”文字が必要だな、というところを意識して、歌詞の中にちょいちょい入れたりしました。
――楽曲名の「置き手紙」に込めた思いについて教えてください。
実は歌詞で、「綴り切れないよ」って言ってるんですよ。思いを置き手紙にしてるんだけど、結局呼吸するたびに君に伝えたいことがある、それほど伝えたい文字が多くて、置き手紙くらいじゃ収まらないわ、という気持ちを「綴り切れない呼吸の数だけ生えた思いが溢れ育ってた」という歌詞でDメロにあたる部分、サビの部分で歌っています。
僕の中では、最後は文字がぐちゃぐちゃになって、「あぁ~もうやめてしまおう」と、「もう思いを伝えずにこのまま終わろう」って、文字にもせずに多分終わるんですよね、この二人は。そこが文字で書くことの儚さに繋がってくるかなと思って。
「置き手紙」というタイトルは、そこまで意味があるわけではなくて、ツールでしかない。第一印象で「置き手紙の話なんだな」と思わせるためのタイトルという感じです。でも、ちゃんと歌詞を読んでみたら、「あれ、もしかしてこれ置き手紙結局いらなかったってオチじゃない?」みたいな。そう思わせるために多分、当初の僕はそれを書いたんだと思います(笑)。
――歌詞に「魔法の言葉」というフレーズが度々登場しますが、Vaundyさんにとっての「魔法の言葉」は何ですか?
大事にしていることは「バランス」ですかね。よく言う言葉ではあるけど、すべての事柄バランスで出来ていると思っています。自然はバランスを、調和を取ろうとするみたいな。なんかそういうものが僕の中にもあります。
ただ、魔法の言葉というものはないかもしれない。言葉自体が魔法なんですよね。そもそもみんな言葉を使わずに生まれてきているわけじゃないですか、人間という生き物は。
文字って、一番最初のデザインだと思ってるんです。学校とかでもよく文字デザインって究極のデザインだという話をしていて、英語でも日本語でもアラビア語でも、やっぱり文字デザインというのは、僕にとっては人類を繋ぐ、世界中に繋がる魔法だと思っているので、言葉自体が魔法なのかな、と思います。
――MVをご覧になる皆さんにメッセージをお願い致します。
監督の血と汗と涙の結晶をぜひご堪能ください。
MVを見て、「あぁ~すごいかわいい~!」ということだけでなくちゃんと一秒ごとに注意深く見てみればみるほど発見がある、本当に見応えのある作品です。
Vaundy
プロフィール
現役大学生 22歳。
作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像のディレクション、セルフプロデュースも手掛けるマルチアーティスト。
2019年春頃からYouTubeに楽曲を投稿開始。サブスク令和時代の象徴的な存在として注目を集めており、各方面でタイアップ曲に多数起用現在サブスクリプション/YouTube、トータル再生数は28億回以上。7曲が1億回再生を突破し、日本男性ソロアーティスト1位の記録を打ち出している。
初の日本武道館2days公演、全国22本ホールツアーを含めこれまで開催したワンマンライブは全て即日完売。
2023年末に自身最大となる5大都市10公演 18万人を動員するアリーナツアーを控えている。
耳を捕らえ一聴で癖になる天性の歌声とジャンルに囚われない幅広い楽曲センスで、ティーンを中心にファンダムを急速に拡大中。
Website
https://vaundy.jp/
スペシャル対談
本作の特設サイトには、Vaundy、MVを制作したWhateverのクリエイティブディレクター川村真司、MV監督の牧野惇、モリサワ担当者の4者によるスペシャル対談が掲載、メイキング等も紹介されている。
「Vaundy×Morisawa Fonts 『置き手紙』
Font Specimen Music Video」特設サイトhttps://okitegami.morisawafonts.com/