山下幸輝 が長編映画初主演を務める映画「TOKYO, I LOVE YOU」が、2023年11月10日より新宿ピカデリーほか、全国主要都市にて公開された。
本作は「恋人」「親子」「親友たち」が繰り広げる、3つの愛をテーマにしたストーリーで構成されている。今回Onigiri Mediaでは映画「TOKYO, I LOVE YOU」の脚本も手掛けた中島 央 監督にインタビュー。キャスティングや本作に込めた想いなどを聞いた。
Contents
映画
「TOKYO, I LOVE YOU」
映画「TOKYO, I LOVE YOU」は、第1章 東京タワー、第2章 新宿界隈、最終章 お台場と題された3つの物語で構成された映画。
「恋人」「親子」「親友たち」が、それぞれの物語を東京を舞台に繰り広げる。
2023年11月10日より新宿ピカデリーほか、全国主要都市にてロードショー。
映画「TOKYO, I LOVE YOU」Website
https://tokyo-iloveyou.com/
なお、iamSHUM (アイアムシュン) が手掛けた本作の主題歌「TOKYO, I LOVE YOU」は、映画公開日と同日の11月10日リリース。
配信リンク
https://linkco.re/hX2syaX6
作品情報
- タイトル
「TOKYO, I LOVE YOU」 - 製作年 他
2023年製作/120分/G/日本 - 公開日
2023年11月10日 - 監督・脚本
中島 央 - 音楽
ネゴロノブ - 撮影
神野 誉晃 - エグゼクティブプロデューサー
齋藤 隆、中山 由衣、山本 泰宏 - プロデューサー
中山 友翔、中島 央 - 制作
株式会社ウィスコム - 配給
ナカチカピクチャーズ - 製作
「TOKYO,I LOVE YOU」製作委員会 - 特別協力
エアトリ
草野航大 主演
第1章 東京タワー
ケンは典型的なダメ人間。バイト生活を送りながら、日夜、VR の世界にどっぷり浸かっている。
そんなケンの元へ幼馴染の女・ミミが訪れる。ミミはケンにVR を止めるように言い、現実としっかり向き合うように諭す。
一方、VRの世界に入ったケンは、絶世の美女・アイとデートをする。二人はバーチャル東京タワーの展望台で語り合い、ケンはアイこそが運命の人だと確信していく。
オタクで奥手な⻘年ケン、女友達ミミ、そして、バーチャル空間に存在する美少女アイの3人による、とてもキュートで不思議な三角関係のラブストーリー。バーチャルも現実も全てを飲み込んだ恋の行方はどうなる?
- 主演:草野航大
- 出演:加藤ナナ、奏みみ
小山璃奈 主演
第2章 新宿界隈
ジョージは昔ながらの職人気質の料理人であり、キッチンカーを率いて、もう40 年のキャリアを誇っている。
ジョージは妻と大分前に死別しており、1人娘・カレンと子供の頃から父娘2人、仲睦まじく暮らしていた。しかし、今、20代に入ったカレンとジョージの仲は疎遠になっている。映画監督を目指し、都会の中心の映像学校に通い始めたカレンが父に連絡を取る事は、正月以外はないという有様だった。
そんなある日、カレンがいきなりジョージに会いにくる。カレンは学生映画を撮るから、高級なビデオカメラを買ってくれとせがむ。
ジョージは、そんな経済力などない事は誰よりも自分がよく分かっている。しかし、すっかり疎遠となってしまっている愛娘を喜ばせるために、何としてでもビデオカメラをプレゼントしようと心に強く誓うのだが…
- 主演:小山璃奈
- 出演:オギー・ジョーンズ、山口りお、久保雄司、他
山下幸輝 主演
最終章 お台場
日本に帰国したばかりのダンサー・リヒト(山下 幸輝)が、余命3ヶ月と診断された脳腫瘍に苦しむ親友・シモン(松村 龍之介)を救うために、幼馴染の親友たちハル(羽谷 勝太)、ノア(坂井 翔)、ユージン(下前 祐貴)、レイ(島津 見)、ダン(西村 成忠)と力を合わせ、高額な手術費を工面しようとする。
そして、リヒトと5人の親友たちが力を合わせ、シモンの命を救うための手術費を何とか稼ぎ出せる!と、いうその決定的な瞬間に、リヒトたちの運命の歯車を狂わせる出来事が起こってしまう…
果たして、リヒトを始めとした東京の様々な街で暮らす主人公達は、迫りくる危機と試練に抗い、自分達なりの愛を貫き通す事ができるのか?
- 主演:山下幸輝
- 出演:松村龍之介、羽谷勝太、坂井翔、島津見、下前祐貴、西村成忠
中島 央 監督
インタビュー
映画「TOKYO,I LOVE YOU」は、2023年11月10日からの公開に先駆け、舞台挨拶付きの完成披露プレミアイベントを10月26日に新宿ピカデリーとユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて開催した。
本インタビューは、その完成披露プレミアムイベント後にオンラインで実施。中島 央監督は、本作の脚本も手掛けている。
中島 央監督
キャスティングについて
「リヒトは山下さん以外は考えられなかった」
ーーまず、本作は3つのストーリーにより構成された作品ですが、キャスティングはどの様に行われたのでしょうか?配役をするにあたり監督が重視したのは、どの様な点ですか?
中島 央監督(以下 中島監督)
キャスティングはオーディションもしましたし、こちらからお願いした方もいます。
オーディションには沢山の方に参加頂いて、私もびっくりしました。本当にありがとうございました。
オーディションで選んだ方も、お願いした方も、私がキャスティングをする際に一番大事にしたのは「私が望む演技ができる人」です。
脚本も書いている私の頭の中には、全てのキャラがどのように動くのかはっきり見えている所もありますので、その辺りに対応できそうかなどが基準になりましたね。
特に山下幸輝さんが演じた「リヒト」は、ダンスがキーポイントの役柄でしたので、これは山下さん以外には考えられないと思い、こちらからお願いしました。
山下さんには前から注目していましたし、ダンスの実力は私が言うまでもなく折り紙つきですからね。
脚本について
「今の東京を描きたかった」
ーー中島監督は、本作の脚本も手掛けられていますが、いつ頃からお書きになられていたのでしょうか?また映画はいつから制作に入られたのですか?
中島監督:企画が立ち上がったのが2021年の夏ごろで、そこから脚本も書き始めました。撮影は2021年の冬、そして2022年の冬にも撮影しています。
ーー脚本を書くにあたり「東京」を舞台に、と言うか、本作では「東京」が1つのテーマであり、シンボルな気もするのですが、どうして「東京」にしたのか教えて下さい。
中島監督:まず、東京は私が生まれ育った場所ですから、当然 想い入れがあります(笑)
だから「パリ、ジュテーム(2007年公開) 」や「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー(2010年公開)」などの様な映画を「東京」で撮りたかったと言うのはあります。
ーー東京をテーマにした映画と言えば、小津安二郎監督の「東京物語」等 有名な作品が幾つかありますが。
中島監督:確かにありますが、私は「今」の東京を描きたかった。それに私は高校/大学を海外で過ごしているのですが、「外から見た東京」と言う視点で、日本人が描いた「東京を舞台にした映画」は少ないので、そう言う要素も今回の脚本には取り入れました。
ーーなるほど、それが山下幸輝さんが演じられたリヒトの設定や、「最終章 お台場」のストーリーに反映されているんですね。
中島監督:そうです、そうです。
10月26日の舞台挨拶付きの完成披露プレミアイベントで、山下幸輝さんは「海外帰りのリヒトを演じるにあたり、中島監督の話し方やリアクション等も参考にした」と話していた。
中島監督:この映画では、今の「東京」そして「そこで生きる人たち」を、真正面から捉えて描きたいと言う想いがありました。なのでタイトルも「TOKYO, I LOVE YOU」にしました。
ーー本作は中島監督の「東京」に対する想いや、「そこで生きる人たち」に対する想いが、詰まっているんですね。
中島監督:この映画を観た知り合いや友人達が全員、クチをそろえて「この映画の登場人物、全部 お前じゃん!」って言うんですよ(笑)
第1章 東京タワーのVR の世界にどっぷり浸かってるケン、第2章 新宿界隈の映画監督を目指してるカレン、最終章 お台場の海外から帰国したばかりのリヒト。確かにそうなんですよ、
もちろん性別や年齢が違ったり、それぞれの役柄としての性格もありますけど、ベースになってるのは自分だなと、私自身も思います(苦笑)。
そう言う、自分自身の分身の様なキャラクターを通して「東京」や「そこに生きる人たち」への想いを描いているのは確かです。
本作に込めた想い
「愛を描いています」
ーーネタばらしにならない程度に伺いますが、3つのストーリー全て いわゆる「分かりやすい成功」的なエンディングではないですよね?
中島監督:そうですね。あの… 最近よく使われる「勝ち組/負け組」って言うの、私は嫌いなんですよ。何に対しての「勝ち」で「負け」なのか?
確かに世の中的な「成功」って言うのは、「名声」とか「経済的な豊かさ」とか、あると思います。でも、そう言う世間の分かりやすい価値観で評価される「勝ち」とか「負け」とかだけで、生きてるわけじゃないだろ?って思っていて。
「わかりやすい成功じゃないけど、大事なモノ」ってあるだろ?って。
だから…3つのストーリーは それぞれテイストが全く異なりますが、結局「目の前の大事なもの」と言うか、そう言う世間での価値観では計れないもの…つまり「愛」を描いています。
ーーそれは、コロナ禍で脚本を書かれたり、映画を制作された事も関係していますか?
中島監督:関係ありますね。精神的にも肉体的にもストレス半端なかったし、人との距離も離れた気がしたし、世の中の空気もギスギスしていて、本当につらかった。
だからこそ、こう言う映画、つまり照れずに真正面から「愛」を描いた作品を作りたかったと言うのもあります。恋人、親子、友達、それぞれの「愛」ですね「人間愛」。
コロナだけじゃなくて、最近 暗い話が多いじゃないですか。メディアを通して報じられるのは、気の滅入る話ばかりで。「そう言うのは、もうたくさんだ!」って言うのはありましたね。
だから「TOKYO, I LOVE YOU」は観た人が単純に楽しめて、Happyな気分になれる内容にしたかった。
映画の技術的にも「どうやって撮ったんだコレ?」みたいな、フィルムメーカーとしての自分の知識と経験を総動員して、難しい撮影方法で挑んでるシーンもあるし、編集においてもエフェクトとか、細かい効果をイチから沢山、作成していますし、実は本当に撮影と編集は大変だった(笑)
でも、それを見て観客の皆さんが喜んでくれたり、何かを感じてくれたらと思って、頑張りました。
完成披露プレミアイベントで、新宿ピカデリーのあの大きな会場の観客席が、満席になっている光景を見た時は本当に嬉しかったです。
11月10日から全国主要都市で公開されますが、「TOKYO, I LOVE YOU」を沢山の人に観てもらって、Happyでポジティブな気分になってくれればって、心の底から思っています。
※劇場公開情報は「TOKYO, I LOVE YOU」Websiteにてご確認頂けます。
https://tokyo-iloveyou.com/
中島 央監督
プロフィール
映画製作を学ぶため渡米し、2003年サンフランシスコ州立大学映画学科を卒業。脚本家としてキャリアをスタートさせる。
2007年 アメリカ人のキャスト、スタッフとともに撮り上げた初の短編作品「リリィ」がロサンゼルス国際短編映画祭などで上映された他、国際映画賞受賞・ノミネートを果たす。同作をリニューアルした「Lily(2011年公開)」で長編監督デビュー。
10月26日新宿ピカデリーで行われた舞台挨拶付きの完成披露プレミアイベントでは、「東京を表すポーズ」と言うお題に対して、共演者と共に即興でポージングを披露した中島監督。このポーズは「愛 / LOVE」とのこと。
映画「TOKYO, I LOVE YOU」は、2023年11月10日より新宿ピカデリーほか、全国主要都市にて公開。