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民謡クルセイダーズ インタビュー at Bunka Wave from Colombia(特集)

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ニューアルバム「日本民謡珍道中/Tour of Japan」を、2023年11月24日にリリースする民謡クルセイダーズ。 2023年12月には初の南米ツアー予定している彼らのインタビューが、南米コロンビアにてアジアの音楽を紹介するメディア Bunka Waveで、スペイン語と英語で公開された。Onigiri Mediaでは同インタビューを日本語でご紹介する(特集)。


民謡クルセイダーズ
ソーラン節

6年ぶりに待望のニューアルバム「日本民謡珍道中 / Tour of Japan」を、2023年11月24日にリリースする民謡クルセイダーズが、11月3日アルバムに収録されている「ソーラン節」のミュージックビデオを公開した。

同曲はSpotify等でも配信されている。

ニューアルバム
日本民謡珍道中
/ Tour of Japan

2023年11月24日リリース・ニューアルバム「日本民謡珍道中 / Tour of Japan」のプレオーダーも開始している。
https://minyo-crusaders.lnk.to/TourofJapan

民謡クルセイダーズ
at Bunka Wave

民謡クルセイダーズは、2023年12月 彼らにとって初となる南米ツアーを予定している。

これに先駆けて、南米コロンビアにてアジアの音楽を紹介するメディア Bunka Wave にて、民謡クルセーダーズ 田中克海(ギタリスト / リーダー)のインタビューが、スペイン語と英語で公開された。

Bunka WaveとOnigiri Mediaは協力関係にある為、本インタビューを日本語にて紹介する。

田中克海 Interview
at Bunka Wave

民謡クルセイダーズ
田中克海(ギター)
Photo by Tomohide Ono

Interviewer:Pedro Suárez (Bunka Wave)

ーーラテンアメリカのフォロワーの為に、このインタビューに応じてくれて ありがとうございます。最初に伺いたいのは、どの様にしてラテン・リズムと日本の民謡をミックスする事になったのか?です。

民謡クルセイダーズの楽曲は、日本の民謡とラテン音楽(リズム)をミックスしたものですが、ラテン音楽を知った経緯や、それを日本の民謡に取り入れた経緯などを教えて下さい。

民謡クルセイダーズ・田中克海(以下KT)
私(田中克海)は、世界の大衆音楽/民族音楽の愛好家で、レコード収集をしてギターを弾いていました。

東京には様々なタイプのヒップな音楽シーンが沢山あります。小さなバーやクラブ、レコードショップがいくつもあり、様々な種類の世界の音楽を教えてくれました。

そういう所で出会った仲間たちと、見よう見まねでラテンやアフロ、カリプソなどトロピカルな音楽を演奏するバンドを組んで、友達の主催するクラブイベントなどで演奏する様になりました。

そんな中、2011年の東日本大震災がありました。

この災害と福島原発の事故は私に、自分が住んでいる日本という国と、自分自身自分を見つめ直すきっかけを与えました。

自らのアイデンティティと、自分が社会にどの様にコミットできるかということを考える様になりました。そこで私は日本民謡と出会いました。

日本民謡は我々日本人の中に確かに根付いている民族音楽でありながら、私たちが楽しんできたラテンやアフロ、カリビアンミュージックなどの世界の大衆音楽が成し得てきた進化を諦めて、一部の「徒弟制」や「期間を限定したお祭りの中でのみ楽しむもの」といったルールの中に押し込められていました。

私は同じ街に住むJAZZやSOULを歌っていた音楽仲間のフレディ塚本が、実は民謡も歌っていた事を思い出し、「日本人が本当に心を解放できる様な音楽をやろう」と連絡をしました。

週末に街角の小さいクラブで、ヒップな新しい民謡で皆が気兼ねなく踊り、歌う風景を想像していました。

クンビアのビートに合わせて「串本節/Kushimoto Bushi」のメロディをギターで弾いてみたところ、それはクンビアの持つメロディと同じでした。今まで大好きだった世界の大衆音楽と日本民謡がおなじフィーリングであることを実感した瞬間でした。

そして同じ街の音楽仲間を集めて、フレディ塚本と民謡クルセイダーズをスタートさせました。

民謡クルセイダーズ
フレディ塚本(ボーカル)
Photo by Tomohide Ono

ーーマリオ・ガレアーノ(Mario Galeano :El Frente Cumbiambero from Colombia)との出会いや、彼と一緒に仕事をした経験や思い出について教えてください。

KT:2018年のフジロックに出演した際に、フレンテ・クンビエロも出演するために来日していました。

私たちは彼らや、マリオのプロジェクトのオンダトロピカに熱狂していましたので、「私たちは日本でクンビアをやっていて、あなた達の大ファンです!」と楽屋まで押しかけて、友達になりました。

その後、彼らの紹介で、なんとコロンビアのフェス「コロンビア・アルパルケ」に出演のオファーが届きました。コロンビアは私たちにとって聖地でしたから、世界の最終地点だと思っていました。それが、日本以外で最初に訪れる場所になるとは。

それどころか、マリオ達と作品を作るコラボ企画までが立ち上がり、夢の様でした。自分のアイデンティティと向き合うことが、これほど様々な事を引き起こす事に驚き、民謡に感謝しました。

そしてマリオ達の音楽へのアプローチやコミュニティとの向き合い方にシンパシーを覚えました。まさに2011年の震災を機に感じた、自分の向かう方向を体現していると思いました。

ーーコロンビアのクンビア以外の、他のラテンリズムの音楽を探求した曲を作ることは考えていますか? (将来的なアルバム等の為に)

KT:ライブではすでに披露していますが、まだ音源化されていない曲で、サルサを取り入れた楽曲や、メレンゲをイメージした曲などがあります。

ーーラテンアメリカの文化や音楽について興味がある事、深く知りたい事はありますか?

KT:コロンビアやその周辺の音楽を聞き込むにつれて、様々なスタイルがあり、多様な人種とその文化が混ざり合っていることが分かります。

その時代背景や地理的な背景に興味があります。それは日本民謡も同じで、どの様に源流から変容して来たかを知ることは様々な物事の理解につながります。

ーー民謡クルセイダーズの音楽について、アジアやラテンの国々のファンから、どの様な反応や感想がありましたか?

KT:まだ日本以外のアジアに出向いたことがなく、ダイレクトな反応は分かりませんが、韓国などでも同じアプローチで民謡を現代にアップデートしている音楽家が現れています。

またフレンテ・クンビエロと製作した「Cumbia delmonte Fuji」の動画が公開されてから、SNSでの中南米の人々からのラブコールをの多さにびっくりしています!

ヨーロッパツアーなどでも、サルサステップで踊ってくれるオーディエンスが多くて本当に嬉しいです!

ーー最後にラテン及びコロンビアのファンへの挨拶やメッセージをお願いします。

KT:クンビアのパワフルなビートとエモーショナルなメロディに出会い、そこに日本民謡との共通点を見出せたことは、私たちにとって本当に幸せなことでした。

私たちがクンビアに出会った様に、皆さんが日本民謡に出会って何か見つけてくれたら最高です。

民謡クルセイダーズ とは

Photo by Yukitaka Amemiya

かつて戦後間もない頃、偉大なる先達…東京キューバンボーイズやノーチェクバーナが大志を抱き試みた日本民謡とラテン・リズムの融合を、21 世紀に再び再生させる、民謡クルセイダーズ / Minyo Crusaders!

東京西部、米軍横田基地のある街『福生』在住のギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本を中心に、2011年ミュージシャンが集まった。

終戦以降米兵の居住エリアだった基地周辺に今もなお点在している築 70 年の米軍ハウスの一棟、通称「バナナハウス」をスタジオとして、セッションをスタート。

クンビア、ビギン、ブーガルー、カリプソ、アフロ、ルンバ、レゲエ、モーラムなど様々なダンスミュージックと、失われた音楽『日本民謡』との化学反応を試みつづけたバンドは、数回のメンバーチェンジを行いながら、1st Album『Echoes of Japan』を完成させ、国内外から高い評価を得ると共に「民謡」の存在を世界に知らしめた。

2021年には NPR の人気コンテンツ「Tiny Desk (home) Concert」に出演。2022年と2023年は、計約40公演にもわたるヨーロッパ・ツアーを成功させ、直後にフジロックにも出演。2023年12月には初の南米ツアーを予定している。

Website
https://www.minyocrusaders.com/

ABOUT ME
おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/