2020年3月24日(火)に開幕、 4月5日(日)まで全16ステージ上演される 、三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.8 「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」 。
今回は3月25日・Bキャストの舞台の様子をレポートする。
同公演は4月1日までの上演となりました。ご注意下さいませ。(2020年3月30日発表)
黒田勇樹氏ブログ:https://ameblo.jp/kurodax-blog/entry-12585917849.html
Contents
新型コロナウイルス対策
当日の観客数は25名以下、来場と同時にまず会場入り口前にある洗面所での手洗いを指示される。
来場者は100%マスク着用、また脚本・演出の黒田勇樹を始め、会場スタッフも全員マスクを着用している。
とは言え、もう少し物々しい感じかと思ったが、そうでもない。今から始まる舞台を楽しもうと言う通常の舞台と同じ雰囲気に包まれている。
今日はBキャストによる初演日にあたるので、用意された席はほぼ埋まっていた。
https://onigirimedia.com/2020/03/22/sekaneko/
女の子ばかりの理由
今回の舞台はAキャスト・Bキャスト共に大半が女性キャストによって占められている。これには何か意図があったのか、演出で脚本の黒田勇樹氏に聞いてみた。
三栄町LIVEの作品に関しては、テーマと話の概要(プロット)は予め決めてはいるけれど、誰がどの様に演じるかと言うのは、キャストが固まってから黒田氏は書くそうだ。
そこで今回の「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」は、プロットの内容を変更して、公演前1ヶ月でオーディションで集まった可愛らしい女の子が活躍する脚本を書きあげたとの事。
あらすじ
舞台は今より少しだけ未来の物語。中学卒業以降バラバラになっていた仲良し4人組が、同級生の呼び掛けで町に帰って来る。
4人は現在それぞれ別の町で生活をしている。久しぶりに地元で再会した彼女たちは、懐かしいタピオカを同級生のお店で楽しんだり、過疎化が進み、老人しかいない町の現状に戸惑ったりする。
同級生が彼女たちを地元に誘った理由は、町の再開発。そう、彼女たちは町を離れたとは言え、住民票はまだ地元にあり、町の再開発の是非を問う住民投票に参加する事が出来た。
地元の現実を目の当たりにして「自分達に出来ることはないか」と考える4人。そして彼女たちの1人が秘密の能力を打ち明ける。「私、ちょっとだけ運命を変えられるんだ…」
変えられる能力
今回の舞台のキーワードの1つが「運命を変えられる」と言う事。これは地元で再会する、4人の女の子の内の1人が持つ特殊な能力に由来する。
そこで、Bキャストの女性5人に「特殊な能力が得られるのなら、どんな能力が欲しい?何を変えられる能力が欲しい?」と質問をしてみた。
なでしこ役・工藤萌香 みんなを癒す能力が欲しいです!みんなを癒したい!
あさひ役・綾織瑠茅華 みんなを操れる能力!ちょっとあくどい感じですが(苦笑)
チルチル役・金子茉由 食材をパッと料理に変える能力!一瞬で料理が出来ちゃう!
ひよこ役・珠居ちづる 私は…お財布の中身が変えられる能力ですかね(苦笑)
と、彼女たちは、なんとなく役のキャラクターにもそった様な、能力が欲しいと答えてくれた。
ある意味敵役であり、再会した女の子たちの5人目の友達でもある「すみ」を演じる 霧嶋あさと は、悪役らしからぬ「人を笑顔に変える能力が欲しい」と話してくれた。
世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの
もう一つの舞台のキーワード、それはやはりタイトルにもなっている「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」ではないだろうか。
舞台中盤、セリフの中で象徴的に出てくるこの言葉。「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」であるならば、人間とは世界にとって何なのか?その答えは観てのお楽しみとしておきたい。
演出・脚本の黒田勇樹氏は「可愛い女の子たちが、かわいい猫をめぐり、花の様に咲き誇り、鳥の様に自由に羽ばたき、時には蛇の様に耽々と、背一杯この世界と戦う姿を観て『演劇が無いと生きてられない身体』になって帰って下さい」と、パンフレットに書いている。
これは、新型コロナウイルスの蔓延の結果「演劇は必ずしも生活には必要ではない」論まで飛び出している、昨今の社会情勢を受けてのコメントでもある。
黒田勇樹:現実社会も同じ。僕は演劇で社会の問題は解決できないと思ってる。でも1人ひとりの人に何かを届ける事は出来る。演劇は人に元気や勇気、希望や感動を与える事は出来る。
それが社会や政治にどういう影響を与えるかはわからないけど。そう言う事をコツコツとやっていくしかないのかなと。
これは何も演劇に限らず、今 窮地に立たされているエンターテインメントやアート全般に言える事ではないだろうか。
新型コロナウイルスの蔓延により、不要不急の外出を控え、人が集まる事を控える事が求められている現在。「エンターテイメントやアートは必ずしも生活には必要ではない」 と言う雰囲気も社会には漂っている。
そんな状況に対して、エンターテイメントやアートに関わる人たちの、ある種の想いを代弁していると筆者は思った。
今週末3月28日・29日も上演します
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、様々なイベントやライブ等が中止となっている現在。なぜ、上演しようと思ったのか?と黒田勇樹氏に聞いてみた。
黒田氏は付け加える様に
それは全ての舞台やエンターテイメントに適用される訳じゃないですよ。会場や集客人数、出演者の意思、状況、色々あるから、中止をするのが悪いとか、そう言う話ではない。ただ、この三栄町LIVEの舞台はそうだったって話ですから。そこは間違えないで欲しい
とも話していた。
因みにこの公演が行われた3月26日夜に開かれた緊急記者会見にて、小池百合子東京都知事が「週末の不要不急の外出自粛を都民に要請」した。
しかしながら、やりたい人がいて、観たい人がいるなら、週末3月28日・29日も舞台は上演すると黒田勇樹氏は決断をした。その想いは黒田氏のブログにも掲載されている。
この週末だけでなく、舞台「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」を観に行かれる方、またこの舞台だけではなく、この状況の中、実施を決断したライブ・パフォーマンスを観に行かれる方は、主催者のお願いする注意事項をしっかりと読み、自衛策を徹底し、少しでも体調が悪ければ参加しない等、適切な判断をして欲しい。
新型コロナウイルス感染拡大を防止する事は大事だ。それを大前提とした上で、演劇なり、音楽なり、いわゆるライブ・パフォーマンスを糧としている人達が、それぞれ悩みぬいた上で中止や開催を判断、決定しているのだから、その想いは最大限尊重して欲しいと切に願う。
公演スケジュール
【3月】
24日(火)19:30 A
25日(水)19:30 B
26日(木)19:30 A
27日(金)14:00 B
28日(土)14:00 A/18:00 B
29日(日)13:00 B/17:00 A
30日(月)休演日
31日(火)19:30 B
【4月】
1日(水)19:30 A
2日(木)19:30 B
3日(金)14:00 A
4日(土)14:00 B/18:00 A
5日(日)13:00 A/17:.00 B
受付開始・開場は開演の30分前。
チケット予約
前売り自由席3,000円+1drink 500円
当日自由席4,000円+1drink 500円
予約サイト
https://ticket.corich.jp/apply/106493/
ご予約済みの方で、キャンセルを希望される方は下記のメールアドレスまでご連絡下さい。
※公演当日でもキャンセル料は発生致しません
flowerstudio2018@gmail.com
三栄町LIVE STAGE
- 住所:東京都新宿区三栄町25-45 ボナフラワービル B1
- 東京メトロ丸の内線「四谷三丁目駅」4番出口より徒歩5分
- JR総武線・東京メトロ「四ツ谷駅」より徒歩10分
- 都営新宿線「曙橋駅」より徒歩7分
Website
http://3eicholive.com/
「世界は、猫と花と鳥と、蛇のもの」 新型コロナウイルス対策
- 当公演は収容人数を縮小して公演を行います。
- 発熱・咳・全身痛などの風邪の症状が少しでもある場合は、ご観劇をお控え頂きますようお願い致します。
- ご来場の際は可能な限りマスクのご着用、ご入場後に会場内にて手洗い及びうがいを行っていただきます。ご協力お願い致します。
- 会場入口にて消毒用アルコールも用意しております。
- 急な咳やくしゃみなどの症状が出た場合は、周囲のお客様にご配慮頂きハンカチや着衣などで覆う等の対応を、お願い致します。(咳が酷い場合など、スタッフよりご退場をお願いする場合もございます)
- 感染予防の為、当会場スタッフもマスクを着用させて頂く場合がございます。
- 制作側も随時公的発表等を鑑みた対策を執り行いますので、ご協力お願い致します。