『岬の兄妹』や『そこにいた男』の片山慎三監督が、自身の最新作にして商業デビュー作である『さがす』と共に、映画を語る配信番組・活弁シネマ倶楽部に登場。同番組は今回の配信で200回を迎える。MCは映画評論家の森直人。
映画『さがす』
本作は、『岬の兄妹』が国内外で激賞され、映画ファンに衝撃を与えた片山監督の長編2作目にして商業デビュー作。2022年1月21日(金)テアトル新宿ほか全国公開中。
本作は、アスミック・エースとDOKUSO映画館のタッグによる次世代クリエイター映画開発プロジェクト「CINEMUNI」の第1弾作品でもある。
映画『さがす』 Website
https://sagasu-movie.asmik-ace.co.jp/
あらすじ
大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。
「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。
ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。
失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があったーー。
出演
主演を務めたのは佐藤二朗。指名手配犯を見かけた翌朝に姿を消した父・原田智として、底知れない凄みと可笑しみがせめぎ合う演技を披露している。
消えた父を探す娘・楓は、話題作への出演が続く伊東蒼、指名手配中の連続殺人犯・山内照巳を清水尋也、自殺志願者・ムクドリをNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』の森田望智がそれぞれ演じている。
- 監督:片山慎三
- 出演:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、森田望智、石井正太朗、松岡依都美、成嶋瞳子、品川徹
映画『さがす』 Website
https://sagasu-movie.asmik-ace.co.jp/
映画『さがす』
活弁シネマ倶楽部
配信200回となる活弁シネマ倶楽部に、番組最多の5度目の登場となる片山監督。
「素晴らしい傑作」と新作『さがす』を称賛する森。かねてより「2作目が重要」と話していたという監督に対し、「ポン・ジュノは『殺人の追憶』、デヴィッド・フィンチャーは『セブン』。今回の長編2作目で何か意識は変わりました?」と聞くと、片山監督は「『尖り過ぎない』と言ったらアレですけど、いろんな人に届けられるような作品にしたいなと思っていました。劇中で起きていることはソフトじゃないのですが、見せ方はエンタメです」と答えた。
物語の着想について片山監督は以下の様に語っている。
高校生くらいの頃に父が、『市橋(達也)を見た』と言ったことがあるんです。彼は全国に指名手配されていましたが、誰も信じなかった。
それからしばらくして捕まったと報道があり、大阪の西成にいたことが分かったんです。このときに、“父が見たのは本物だったのかもしれない”と思いました。
それから数年後、映画のストーリーを書くときにこのことを思い出しました。最初は、嘘のようなことを言っていたお父さんが実は本当のことを言っていて、子どもに対して誇りを取り戻す物語を考えていたんです。
この物語を具体的に映画化するため、父と娘の関係性を組み込むなどして企画書を作成。温めてきたのだという。
もともとは『失踪の果て』というタイトルでした。それはもうちょっと娘に寄った話で。
要は、娘がお父さんを探し続けるものの、お父さんは実は殺されていて、しかも指名手配犯を見たというのも本当だった……というものです。
この企画を、今回のお話が来た際に伝えてみたところ、『面白いですね』となったので、現在の形になるまで進めていったんです
と映画化に至った経緯を述べている。
また片山監督は、本作で描かれる事件が実在の事件から着想を得たものであることを明かしているほか、劇中に散りばめられた自身のこだわり、物語が完成形に至るまでの過程、脚本と構成の妙、ロケ地などについても、MCの森を前に語り尽くしている。
活弁シネマ倶楽部
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