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出演者それぞれの個性を生かしたエンターテイメント・ショー 「TOKYO 和 CHAOS トウキョウハカオス」レポート

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2022年11月29日 SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで行われた「TOKYO 和 CHAOS」。

川渕かおりと山切修二によるジャパニーズアート・ロックデュオ KAO=S(カオス)を中心に、総勢20名の出演者それぞれの個性を生かしながら、ひとつのイメージを共有し、繰り広げられたエンターテイメント・ショーの様子を写真を中心にレポートする。写真撮影:塙薫子 / 添田晃史


TOKYO 和 CHAOS

Photographed :Kaoriko “ossie” Hanawa
Photographed : Akifumi Soeda
Text : Tomoko Davies-Tanaka

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

川渕かおりと山切修二によるジャパニーズアート・ロックデュオ KAO=S(カオス)を中心に、ソードパフォーマンスチーム 偉伝或 ~IDEAL~、覆面和踊り集団 太宰府まほろば衆、ダンサー 五十嵐愛暁矢薫、和太鼓師 広純、津軽三味線奏者 ピエール小野、ドラマー 菊嶋亮一、ベーシスト 神田智 、と総勢20名が出演した「TOKYO 和 CHAOS」。

2022年11月29日 SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催されたこのイベント。

正直、最初は個々の演者がオムニバス形式で出演。それぞれの音楽やダンス等を披露するのだろうと、勝手に予想していた。

しかし、実際はそんな単純なものではなかった。とは言えミュージカルでもなく、ストーリー仕立てのコンサートでもない。

KAO=Sの川渕かおりを中心に、それぞれ活動するダンサーやミュージシャンが個々の個性を生かしながら、1つの壮大な絵を描く稀有なステージ。正に音楽とダンス、殺陣によるエンターテイメント・ショーだった。

その様子を、今回は2人のフォトグラファー 塙薫子添田晃史が撮影した写真を中心にレポートする。

オープニング
Opening

開演時間19時30分 深い青にそまったステージに、箏の音を現代的にアレンジしたBGMが流れ、KAO=Sの山切修二を先頭にドラマー 菊嶋亮一、ベーシスト 神田智が登場。

一瞬の静寂の後、和太鼓師 広純の掛け声と太鼓の音が会場に鳴り響いた。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

赤い襦袢に白の透けた打掛を羽織り、手には刀を持った川渕かおりが登場。太鼓の音に合わせ、今回のステージの成功を祈願する様に破邪剣舞を披露した。

Photo by Akifumi Soeda

拍手の後に演奏されたのはKAO=S「アメノヌボコ」。

Photo by Akifumi Soeda

宝珠悉皆師の那須勲が作詞した「アメノヌボコ」は、川渕が歌詞を朗読するスタイルの楽曲だ。

ダンサー4人が光の珠を手にし舞い踊る中央で、巻物を手に言葉を紡ぐ川渕の姿は、まるで神託を読み上げる巫女の様だった。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

舞う
DANCE

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

激しいビートの「松明」イントロにのせて、「Welcome to TOKYO 和 CHAOS! 皆さん今夜は最後まで楽しんでいって下さい~」と川渕が挨拶。

このままKAO=Sライブ・パートへ突入かと思ったのだが、曲が終了するとステージが一転。ソードパフォーマンスチーム 偉伝或 ~IDEAL~から槍を携えた米山勇樹が登場した。

Photo by Akifumi Soeda

琵琶の音風な三味線と共に「平家物語」の有名な冒頭「祇園精舎の鐘の声…」を川渕が朗読。

米山は静かに、だが隙のない槍さばきで、刀を手にした侍2人を圧倒。続いて山切が歌う「荒城の月」では、演舞も披露した。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

桜香る
Sakura Kaoru

Photo by Akifumi Soeda

ここまでの激しいビート、そして張り詰めた空気を和らげるように、ダンサー  五十嵐愛暁矢薫、そして偉伝或~IDEAL~ 馬場梨恵子・紫野えりこの4人がステージに登場。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

柔らかな音色のKAO=S「桜香る」ピアノ・バージョンに合わせ、淡い色彩の傘や布を使い、華やかに、儚げに舞い踊る彼女達は、まるで桜の精の様だった。

太宰府まほろば衆
Dazaifu Mahoroba-shu

桜の花が散るがごとく、4人の女性ダンサーが素早くステージを去ると同時に、会場通路から現れたのは 覆面和踊り集団 太宰府まほろば衆。

Photo by Akifumi Soeda

彼らは能の謡曲「老松」を現代的にアレンジした曲に合わせ、エネルギッシュでキレのある舞を披露した。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

覆面と言う事もあり、登場時は奇々怪々な雰囲気も感じられた太宰府まほろば衆だが、衣装にあしらわれた松は、冬の寒い中でも青々とした葉をつけることから不老長寿の象徴として知られている。

また謡曲「老松」は、祝いの場で歌われる曲として知られており、菅原道真公に由来する曲でもある。

太宰府の伝統と文化を、踊りを通して表現し伝えていくことをコンセプトにした、九州・山口を中心に活動している太宰府まほろば衆

この豪華なステージに「老松」はピッタリの選曲であり、その一糸乱れぬパフォーマンスは圧巻だった。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

CHAOS

Photo by Akifumi Soeda

祝いの舞を披露したまほろば衆を、黒衣の女達がステージから連れ去っていく。彼女達は黄泉平坂から現れたのか… そして緋色の衣を纏った川渕が歌うのは、いにしえからの愛憎が渦巻く「CHAOS」。

Photo by Akifumi Soeda

先ほどの軽やかな舞からは想像できぬほど、おどろおどろしい、地を這う踊りを披露した 五十嵐愛暁矢薫、馬場梨恵子(偉伝或~IDEAL~)。

Photo by Akifumi Soeda

漢達の闘い
The battle of warriors

激しい情念が詰まった「CHAOS」の後に披露されたのは、ソードパフォーマンスチーム 偉伝或 ~IDEAL~ の村尾敦史、森本拓也、伊勢参、宮園博之による終わりのない闘い。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

そして、和太鼓師 広純 vs ドラマー 菊嶋亮一 による激しくも熱い音の饗宴だった。

楽曲:アラバシャバサラダンカン / 広純

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

MORE THAN BLUE

まるでストーリーがある様な錯覚に陥るほど、スムーズに途切れることなく、しかしそれぞれの個性を際立出せた構成の「TOKYO 和 CHAOS」。

ここで改めて川渕かおりが「TOKYO 和 CHAOS 皆さん楽しんで頂けてますでしょうか!」と会場に声をかける。

そして「今日は一晩限りのゴージャスな内容になっていて、(自分達が)良いと思う人たちを集めて、参加してもらって、大変な時期ではあるんでしょうけど、こんなに沢山の人たちに面と向かってお会いできるのが本当に嬉しいです。どうもありがとうございます。」と続けた。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

会場は大きな拍手に包まれ、今日初めてのコンサートらしいシーンとなった。

次に演奏する曲「MORE THAN BLUE」は、KAO=Sの川渕と山切が今年の8月ドイツのイベント出演中に現地で耳にした曲で、実は和太鼓師 広純の知り合いでもあるバンド quaff の楽曲とのこと。

詳しい経緯はコチラでお読み頂けます。

不思議な縁、そして渡独前に大事な人を亡くした川渕の心に響いたこの曲は、KAO=Sにとって初の日本のバンドの楽曲カバーになると言う。

12月には配信リリースも予定していると言う本作は、今回のステージでは、オリジナルの良さは生かしつつも、男女2声によるポップで爽やか、ダンサブルなアレンジで披露された。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

桜の鬼
Sakura no Oni

Photo by Akifumi Soeda

ピエール小野による津軽じょんがら節の後、いよいよKAO=Sの代表曲「桜の鬼」が披露される。

通常は川渕の剣舞と、山切の歌声、ギター、バンドの演奏等で披露される楽曲だが、今回はどの様な演出がされるのか…観客も固唾を飲んで見守る。

Photo by Akifumi Soeda

客席から現れた般若の面を持った妖に、誘われ、惑わされ、面を着けられる川渕。

激しく抵抗しながらも、太宰府まほろば衆による妖と共に、奈落の底に堕ちていく…。

Photo by Akifumi Soeda

闇に包まれたステージからは、荒い息づかいだけが聞こえる…。

見えない糸を手繰り寄せ、必死にもがき立ち上がる川渕。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

彼女が刀を手にした時、妖の姿はもうない。

全てを振り切るように、川渕は鬼神さながらにステージを縦横無尽に立ち回る。

最後の一振りがおろされた後、大きな拍手が会場に鳴り響いた。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

エンディング
Ending

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

ラストは楽曲「結う」に併せて、全出演者が登場。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

客席から手拍子も自然と沸き起こり、会場が一体となって本編の幕は閉じた。

Photo by Akifumi Soeda

アンコール
Encore

MCらしいMCは、ほぼ無かった今回。ここでKAO=Sのギタリストであり、「TOKYO 和 CHAOS」のプロデューサーの1人である山切修二が挨拶。

Photo by Akifumi Soeda

コロナ禍にはじまり、暗いニュースが溢れる現在の世の中だが、世界は楽しい事を求めている。それは今年行ったスペインやドイツのイベントでも実感した。だからこそ、今回この様なショーを開催したとのこと。

「CoolなJapaneseは沢山いる!」と、大きな声で叫んだのが印象的だった。

アンコールで披露したのは「ZANGEKI LIGHTNING」

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

そしてKAO=Sのアンコール定番曲「桜香る」の2曲。

Photo by Akifumi Soeda

最後には出演者が再び全員登場し、大きな拍手に包まれながら全ての演目が終了した。

Photo by Akifumi Soeda

トータル2時間程の公演だった「TOKYO 和 CHAOS」は、その長さを全く感じさせない、様々な景色を緩急ある構成で見せ、楽しませてくれるジェットコースターの様だった。

出演者それぞれの個性を最大限に生かしつつ、KAO=Sの楽曲を中心に、ひとつの世界にまとめ上げたエンターテイメント・ショー「TOKYO 和 CHAOS」。

それは、日本で、世界で、様々な舞台を踏み、経験をしたKAO=Sの2人 川渕かおり(舞台演出)と山切修二(音楽演出)がプロデュースしたからこそ、成し得ることが出来たショーだとも言えるだろう。

2人にはKAO=Sとしての活動はもちろんだが、ネガティブな状況が続くこんな時だからこそ、一夜限りと言わず「CoolなJapanese」による今回の様なショーを、これからも国を問わず、多くの観客に届けていってほしいと思う。

Photo by Akifumi Soeda

Set List

※演者表記の無い楽曲は全てKAO=S楽曲になります

  1. SE:TOKYO CHAOS
  2. 破邪剣舞 / 川渕かおり・和太鼓師 広純
  3. アメノヌボコ
  4. 松明
  5. 荒城の月 (唱歌 カバー)
  6. 桜香る piano instrumental version
  7. 闇 百鬼夜行 / 太宰府まほろば衆
  8. 老松 / 太宰府まほろば衆
  9. CHAOS
  10. アラバシャバサラダンカン / 広純
  11. MORE THAN BLUE
    (quaff カバー)
  12. 津軽じょんがら節 / ピエール小野
  13. 桜の鬼
  14. 結う
  15. ZANGEKI LIGHTNING
    ※アンコール
  16. 桜香る
    ※アンコール

Photo by Akifumi Soeda

最新情報
LADY SAMURAI’S CHAOS

KAO=Sの2人を中心とし、様々なミュージシャンやダンサー、パフォーマーが出演するショーを、今後も展開していく事が決定した。

ショーのタイトルは「LADY SAMURAI’S CHAOS」。川渕かおりの海外での呼び名「LADY SAMURAI」から命名とのこと。

公演ごとにメンバーを編成、開催していくと言う。どんなエンターテイメント・ショーを、これから彼らはみせてくれるのか…ますます楽しみだ。

Photo by Kaoriko “ossie” Hanawa

ABOUT ME
おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/