“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」2021年8月19日最新回を公開。かつてない政治バラエティ映画『パンケーキを毒見する』の内山雄人監督が登場。シニカルな鋭い視点で作られた、菅首相の素顔に迫る本作についてのトークを繰り広げる。
Contents
政治バラエティ映画
パンケーキを毒見する
かつてない 政治バラエティ映画『パンケーキを毒見する』は、2021年8月現在、日本の内閣総理大臣である菅義偉の素顔に迫るものだ。
製作は『ヤクザと家族 The Family』『MOTHER マザー』『新聞記者』『i -新聞記者ドキュメント-』、そして間もなく公開になる吉田恵輔監督最新作『空白』などを手がけるスターサンズ。
ナレーターに俳優の古舘寛治を迎え、現役の政治家や元官僚、ジャーナリスト、そして各界の専門家が「菅義偉」という人物について語り尽くしている。
またそれだけでなく、これまで表に出てこなかったような証言や、過去の答弁も徹底検証。
とはいえ本作は、いたずらに意義を唱えたり、スキャンダルを暴こうとする政治ドキュメンタリーではない。
作品全体に見られるブラックユーモアや風刺アニメを愉しみつつ、多角的に浮き彫りにされる菅政権の実態や、現在の日本について思考することを促すものとなっている。2021年7月30日公開、絶賛上映中。
Website
https://www.pancake-movie.com/
『パンケーキを毒見する』
内山雄人監督
活弁シネマ倶楽部
2021年8月19日にYouTubeにて公開された “映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」には、映画 『パンケーキを毒見する』 の 内山雄人監督が初登場。
番組MCで映画評論家の森直人、映画ジャーナリストの徐昊辰と共にトークを繰り広げた。
本作の企画のはじまりについて内山監督は、「河村光庸プロデューサーから『この菅さんという人物の正体を暴いて欲しい』という話を持ちかけられたんです」と語っている。
写真、向かって左から
徐昊辰氏、 内山雄人監督、 森直人氏
選挙に影響を与える
映画を製作したい
監督依頼を受けた際のこと、そして完成当時のことを内山監督は振り返って
依頼の段階では、『一人の監督に断られた。そこで内山監督にお願いしたい』と言われたのですが、実際に完成してマスコミ試写会を実施した際、挨拶のために河村さんと登壇したんです。そのときに『6、7人の監督に断られて……』とおっしゃっていて。『いやいや、僕が聞いていたのと違いますよ』って(笑)
と話した。
映画として扱うテーマがテーマなだけに、やはり尻込みしてしまう人は多いのかもしれない。企画が進んでいく中で「選挙に影響を与える映画を製作したい」という思いも生まれたのだという。
『華氏911』や『華氏119』などとの類似点
映画『パンケーキを毒見する』 の製作期間は約150日。製作開始から5ヶ月足らずで完成に至った。
番組MCの森が、本作の製作の方法論について『華氏911』や『華氏119』などとの類似点に言及すると、内田監督は
最初からマイケル・ムーア的なものだと言われていたわけではありません。
僕はテレビの人間なので、映画監督の方々の『半年での製作は難しい』という考えでなく、半年でやるべきことは何なのか。制約の中でやるべきことは何なのか、という訓練をずっとしてきました。
同時に、僕は報道の人間じゃないので、すごいスクープを探すことなんてできません。ある種、素人から見た『菅政権とは何なのか?』ということを描こうと注力しました。
とにかく、政治を面白く、笑えるようにできないか、ということを最初から思っていて。そういった方向性は、たしかにマイケル・ムーアと似ているところがあるのかもしれません。
と語っている。
2004年製作/公開の『華氏911』は「ボウリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーア監督の映画。
第57回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドールと国際批評家連盟賞をダブル受賞。テーマは、戦争反対とブッシュ政権批判。
『華氏119』は、同監督による2018年制作/公開の映画。本作ではトランプ・ファミリー崩壊につながるというネタも暴露しつつ、トランプを当選させたアメリカ社会にメスを入れている。
活弁シネマ倶楽部
ゲスト 内山雄人監督
本動画では、中国出身で映画ジャーナリストの徐昊辰氏の発言にも注目したい。
日本に生まれ育ったわけではない者の視点からの、ある種の客観的な意見が興味深い。
内山監督は、政治に関心のある若者たちの反応や、映画好きの学生たちの反応についても語っている。
映画「パンケーキを毒見する」 Website
https://www.pancake-movie.com/
活弁シネマ倶楽部 Website
https://katsuben-cinema.com/
Twitter @katsuben_cinema
https://twitter.com/katsuben_cinema