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表現者集団・生き逃げ 第三回公演『脱獄戦隊ニゲルンジャー~さよならキャベジン先生~』ミニレポート + 次回舞台情報

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表現者集団「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」略して「生き逃げ」。

演劇でありながら、まるでライブを味わっているような興奮をその舞台は与えてくれる。 彼らの第三回公演『脱獄戦隊ニゲルンジャー~さよならキャベジン先生~』のミニレポートをお届けする。

「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」とは?

2019年2月、激情キネマ 舞台「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」から発生した表現者集団。

「叫び」をテーマにした激しい歌やダンスを織り込み、ライブハウスを主戦場として演劇の枠を飛び越えた作品を上演。

劇中の楽曲を使用したワンマンライブ「囚人博覧会」の開催、外部のライブイベントにも積極的に出演し、演劇のみならずジャンルを超えたアーティスト集団として活動している。

ヨコシマな衣装に白塗りと奇抜なメイクの囚人を模し、それぞれが抱える未練、後悔、トラウマに縛られた牢獄から脱出(脱獄)する。
https://ikinige.therestaurant.jp/

『脱獄戦隊ニゲルンジャー~さよならキャベジン先生~』ミニレポート

TEXT:長澤智典

2020年1月31日から2月2日まで「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」(以下、生き逃げ)は、新宿LIVE FREAKにて第三回公演『脱獄戦隊ニゲルンジャー~さよならキャベジン先生~』の公演を行なった。


予告編
脱獄戦隊ニゲルンジャー~さよならキャベジン先生~
作・演出:田中寅雄
総合プロデュース:奥村典洋
(ガチャ劇・ALLEX)

生き逃げには「舞台寄り」そして「LIVEやSHOWを盛り込んだエンターテイメント寄り」の二つの表現がある。今回は強いメッセージを持った舞台劇に軸を置いた公演だった。

タイトルに「脱獄戦隊ニゲルンジャー」とあるように、本公演は「地球を救うために選ばれた日本の囚人たちが、正義のヒーローとなって襲いかかる敵をやっつける」という内容。

望んでもいないのに地球を救う正義のヒーローに名指しされた8人の囚人たちは、権力者たちの気まぐれに振りまわされるまま、戦隊ヒーローとしての訓練へ身を投じることになる。

最初は拒否反応を示していた彼らだが、「ヒーローの使命とは何か」という命題を突きつけられ、次第に銘々が成りたかった自分の理想を、ヒーローを疑似体験する事で甦らせてゆく。誰もが自分の気持ち次第で輝ける可能性を持っていることに気づく囚人たち。

自分たちの枠にはまらないものは排除せよ

戦隊ヒーローとして実戦の場へかりだされた8人が対峙したのは、環境汚染によって生まれた怪獣のガラムマサラ。怪獣は日本を襲撃しに来たのではなく、環境汚染によって海の生態系が壊され、自分のようなモンスターが誕生したことを啓発しに来ていた。

その事実を知り、怪獣を倒すのではなく、その想いを伝える側に立った囚人たちだったが、政府 (世界) は理由を聞こうともせず、異分子を殲滅することが正義とばかりに怪獣を攻撃しだした。

悲しい運命を背負って誕生した海人(怪獣)を攻撃から守るため、みずから身体を張って銃弾を浴び、息絶えるキャベジン先生。やがて集団たちは「人類が忌嫌う怪獣を作りだしたのが、人間自身のエゴであること」を知ることなる。

その人の意識の持ち方次第で毒にも薬にもなる

人間の心とは、その人の意識の持ち方次第で毒にも薬にもなる。それこそヒーローにもモンスターにもなれる。

あなたは、今の世の中の現状を知ったうえで、それでも自分の都合を優先し、後に怪獣(悲劇)を生み出すことの手助けをするだろうか。それとも、その行動へ「NO」を突きつけるだろうか。

海洋プラスチックゴミや汚染水と言う人類の身勝手さにより生まれたのが、海人(怪獣) ガラムマラサという存在。彼は、海が汚染されていなければ生まれることはなかった。

寿司屋に並んだ寿司ネタに異臭を覚えるのは寿司屋の責任ではない。その魚を生み出す環境を、汚染を通して作りあげた人類にある。

文句を言うのは簡単だ。しかし、その元凶を正さない限り問題は深刻さを増し、いつしか我々の身体さえ蝕んでゆく。

あなたは、見たくない自分の何を封印したのか

生き逃げが公演を通して毎回伝えているのが、「あなたは、見たくない自分の何を封印したのか」ということ。

見たくない現実から目を逸らすのは簡単だ。でも、それによって生じる未来がどうなるのか…。それは社会的なことでありつつ、その人自身の問題にもなっていく。

苦労や苦悩という生きることの大変さから逃げ出した人が、やがてつかむ未来。生きるつらさを知ったうえで立ち向かった人が、後に手にする未来。

「生き逃げ」のメンバーたちも大成を夢見ながら、小劇場という沼にどっぷりとはまった人たちだ。でも彼らは知っている。「成功」はメディアで持て囃される事ではないことを。「人の心を動かすこと」が、役者として持つべきヒーロー像であることを。

『第三回囚人博覧会 ~拝啓 お父様、お母様、渋谷の牢獄の中で僕たちは~』


次回の生き逃げ公演は、3月4日にTSUTAYA O-WESTで行なわれる。

支持の高まりを受けたことで繋がった数百人規模の会場。それだけ今、生き逃げの舞台を観たいと熱望する人たちが増え続けていることの証明だ。

「生き逃げ」未体験の方は、ライブ感覚の強いTSUTAYA O-WEST公演から楽しんでいただくのも良いかと思う。そこではまったなら、囚人たちが織りなす泥臭い人間模様をぶちまける物語へ、どっぷりとはまっていただきたい。

公演スケジュール詳細

『第三回囚人博覧会~拝啓 お父様、お母様、渋谷の牢獄の中で僕たちは~』

公演日:2020年3月4日(水)
時間:OPEN 18:00/START 19:00
会場:渋谷 TSUTAYA O-WEST
チケット: 前売り¥4,000/当日¥4,500
※受付時に別途ドリンク代¥600がかかります。

<チケットの購入・予約方法>
■ご購入(事前精算)
会場限定発売・先行入場チケット
(発売中)
eプラス一般発売
(発売中)

■ご予約(当日精算)
生き逃げWebsiteのContactよりメールで予約

<入場順>

  1. eプラス先行(販売終了)
  2. ライブ会場限定先行入場チケット
  3. eプラス一般
  4. メール予約

※ご購入のチケット券種によって入場の順番が変わりますのでご注意ください。
※最新の情報は生き逃げのTwitter及びWebsiteにてご確認下さいませ。

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おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/