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三弦奏者 新良幸人 × 津軽三味線奏者 寂空 -JACK- 対談・前編「弾くことは、弾かないこと」

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伝統音楽の最新型を紹介するイベント Brand-New TRAD 2022が、沖縄本土復帰50年目を迎える前夜 2022年5月14日に、沖縄市にあるMusic Town 音市場にて開催される。

今回Onigiri Mediaでは、このイベントに出演するTHE SAKISHIMA meetingの新良幸人と、The Shamisenistsの寂空-JACK-によるオンライン対談を実施。アツくて、深くて、ワクワクする2人のやり取りの全てを前後編にてご紹介する。(前編)


5月14日開催
Brand-New TRAD 2022 

今回の対談のきっかけとなった、The Shamisenists、THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)、そして民謡クルセイダーズが出演する伝統音楽の最新型を紹介するイベント Brand-New TRAD 2022。

日本と沖縄の伝統音楽に新たなアプローチで挑戦する3組のアーティストが競演する本イベントは、来場/配信にて楽しむことが出来る。

開催日は2022年5月14日、会場は沖縄・Music Town 音市場、チケットは現在好評発売中。詳しくは以下リンク、またはOnigiri Media記事にてご確認下さい。

音市場 Brand-New TRAD 2022
https://www.otoichiba.jp/event/brandnewtrad2022/

民謡クルセイダーズ、THE SAKISHIMA meeting、The Shamisenistsが出演 Brand-New TRAD 2022 沖縄市にて5月14日開催沖縄の本土復帰50年目を迎える前夜、日本・沖縄発の”Brand-New TRAD”(伝統音楽の最新型)を紹介するイベントが、沖縄市にて2022年5月14日開催される。出演は、日本と沖縄の伝統音楽に新たなアプローチで挑戦する民謡クルセイダーズ、THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)、そして The Shamisenists の3組。本記事では The Shamisenists 寂空-JACK-からの特別コメントも併せてご紹介する。...

新良幸人
寂空-JACK-
プロフィール

新良幸人

Brand-New TRAD 2022に出演するTHE SAKISHIMA meetingの新良幸人は、パーシャクラブやアコースティック・パーシャのヴォーカル&三弦奏者としても活躍。

モントリオール国際映画祭で2冠を受賞した映画『カラカラ』(2013年1月 全国公開)で音楽監督を担当した他、角松敏生、coba、夏川りみ、犬山イヌコ等のアルバムにも参加するなど、多方面に拡がる活動を行っている。

Website
https://yukito.arize.jp/

寂空 -JACK-

一方の寂空-JACK-は、エフェクターを駆使した新世代の三味線サウンドを追求し続け、独自路線を突き進む津軽三味線奏者。

リード三味線、ベース三味線、ドラムから成る東京を拠点としたオルタナティブ・三味線・ロックバンド The Shamisenists(ザ・シャミセニスト)を率いる他、個人の活動として様々な作品にも参加。最近では、SDGs活動と植樹を組み合わせた「龍の棲む森プロジェクト」のテーマ曲でも演奏を行っている。

Website
https://www.transist.site/the-shamisenists


新良幸人 × 寂空-JACK-
Special Interview 前編

年代も音楽性も全く異なる新良幸人と寂空-JACK-。

しかし三弦・津軽三味線と言う違いはあれども、三味線奏者と言う共通点もあり、寂空-JACK-は新良氏のライブを都内で見たことがあると言う。そんな話から対談は始まった。

三弦とは?

中国の弦楽器。外形は日本の三味線に似るが胴の両面には蛇の皮を張り、人差し指の指頭または義甲で弾く。琉球に伝来して三線(さんしん)となり、さらに日本本土に渡って三味線となった。

コトバンク/デジタル大辞泉より

三弦奏者と
津軽三味線奏者

ーー寂空-JACK-さんは、新良さんのライブを観たことがあるとか?

JACK
JACK
何年か前に、都内で行われたソロのライブを拝見した事があって。だから、今回ご一緒できるのが、とっても嬉しいです。


ーー新良さんの音楽に対して、寂空-JACK-さんはどんな印象をお持ちですか?

JACK:新良さんには沖縄民謡を色っぽく、大人な感じで、朗々と歌い上げるって言うイメージがあったんですけど、改めてThe Sakishima Meetingの曲を聴いたら、衝撃を受けました。

いい意味で三弦が暴れまわっていて、色んな音楽の要素が詰まっていて、実験的な事もやられているし。

僕が今まで聴いてきた三線奏者とは全然違っていて、津軽三味線奏者としても興味深いフレージングとか、アプローチが沢山詰まっていて、しかもそれを弾きながらライブでは歌うって言う…ホント衝撃的でした。

寂空-JACK-

ーー新良さんは、The Shamisenistsや、寂空-JACK-の演奏にどんな印象を持たれましたか?

新良幸人
新良幸人
やっぱり津軽系はテクニカルなので、個人的には凄く大変だなって思うんですよ(苦笑)

ホントに一番大変だなと思うよ。どれだけ弾けばいいのか?とか。でも弾いた方が勝ちではなかったりする場合もあるじゃない?

JACK
JACK
はい(苦笑)


新良:みんないつかどっかで悩む時があるんだけど「いかに演奏する為に弾かないか」ってこととか、「弾くって言うことは、弾かないって言うこと」にぶちあたる音楽だなって思うから… だからすっごく大変だなって。

三弦/三線の特徴

新良幸人

ーー津軽系はテクニカルってお話がありましたが、逆に三弦/三線の特徴はどういったところだと、新良さんは思われますか?津軽三味線とはどういうところが違うんでしょうか?

新良幸人
新良幸人
三味線の原点は沖縄からで、北に広がっていったって話があるけど…

新良:沖縄から広がったのに、向こう(津軽)では歌の伴奏楽器としても成り立って、ソロ楽器としても成り立ってて…。だけど沖縄では、中国から渡って来て500年近い歴史があったのに、ナンで三弦/三線は進化しなかったのかなって。

だから「止まった世界」って若い頃は思ったんですよ。なんで長くしなかったの?太くしなかったの?って、スゴく思ったんですけど。

でも歳とったら「あ、それには理由があったのかな」と。変わらなかった意味っていうのがあるのかなぁとか、そう言うのをずっと模索しながらやっているんです。

ーーそう言った模索が、今の新良さんのスタイルにつながっているのでしょうか。

新良:決まりきったイントロ弾いて、歌が終わって、2番にいくときに同じフレーズ弾いて、また3番にいくとかはつまんなかったので、メロディをフェイクしたりとか、そういうのから若い頃は始めたんですよね。

その頃はアチコチから叩かれたりもしましたけど、三弦を何とかメロディ楽器にしたいって想いはあったんですよ。

JACK
JACK
あぁ、それは凄く感じます。

サスティンが短い楽器

新良幸人
新良幸人
津軽三味線とか、長唄の三味線と違って、三弦はサスティンが短いんですよ。

新良弾いてる時に楽器から出ている音の長さは、ホントは変わらないんだけど、ライブハウスなんかでマイクを通して、リバーブとか何にもつけないと打楽器みたいになっちゃうんですよ。あれが哀しくてね。

JACK
JACK
うーん、すごく良くわかります。

新良:若い時、太棹(津軽三味線)と共演する時に「俺のは少しボリューム上げて、ホール系のリバーブを足して下さい」とか言ったりして。

じゃないと三弦だけ打楽器みたいになるから。弾いてる俺が聞いている音を、客席でも聞いてほしいから、そう言う事をいってたんだけど。

新良幸人
新良幸人
だからね、楽器としては「なんてサスティンが短い楽器なんだ」ってズッと思ってるんですよ。

※サスティン/サスティーン:音の発生後、音が途切れるまでの余韻を意味する。
参考リンク:https://bit.ly/3F2bSe7(音楽用語)


ーー津軽三味線でもそう言った事を感じたりする事はあるんですか?

JACK:津軽三味線でも、三線よりは長いんですけど、他の楽器と比べるとサスティンがやっぱり短いんですよね。あと打音が、バチを弦に打ちつけた時の打音が強いんで…

新良:アレ、やっぱり近くのマイクとかでひろう時とかは、やっぱりキツい?

JACK:はい、キツイっす。旋律よりも打楽器の側面の方が強調されちゃうんで、だからその辺を僕はエフェクターとかを使って、試行錯誤しているんです。

三弦/三線の魅力

JACK
JACK
僕、三線の儚い感じと言うのが凄く好きで…

JACK:サスティンは短いかもしれないけど、そのわずかな余韻がとてもセクシーで、切なくて、ちょっと乾いた感じと言うか。リバーブを使っている人も多いですけど、それでもやっぱり乾いた印象が僕の中にはありますね。

それで、新良幸人さんのアプローチとかは、先ほどの話じゃないですけど「いかに演奏する為に弾かないか」って言うか、早いフレーズの中でも余韻と言うか、間が感じられるので、凄く大人なプレイだなと。

僕もソコを目指したいなと言うか…正直嫉妬さえ覚えました(照れ笑い)

新良幸人
新良幸人
いや、でもね~、それ目ざすけどね、結局 興奮したら弾きすぎちゃって、いっつもライブの翌日は落ち込んでますよ(照れ笑い)

JACK
JACK
あ、そうなんですか~。

新良幸人
新良幸人
うーん、すっごく恥ずかしい


JACK:でもThe Shakishima Meeting さんのアルバム最後の曲の、最後の方なんか、うねる感じとか、ライブ感ありますよね。

新良:あれは、あぁ言う曲だから、それこそヘタクソでも、この気持ちを伝える為にはこのソロの方がいいからって選んだりとかしてるから。

JACK:すごく伝わってきました。

新良:それ、伝わると嬉しいよね。伝わらなくても良いから…だけどそれを選ぶんだって言う…。

JACK
JACK
最初っからアノ演奏だったら、そう言うプレイなのかな?って思いますけど、やっぱり最後の最後にアレが来ることによって、あ、色んな思惑があってこうなんだなって

新良幸人
新良幸人
あぁ、そう言うのは嬉しいね。ありがとね。

新良幸人 × 寂空-JACK-
対談・後編

三弦奏者、津軽三味線奏者同士、共通する悩みや、違い、音や演奏の魅力について、最初から高度な話で盛り上がった2人。

対談後編では、新良幸人氏の音楽的背景や、津軽三味線から見た三弦との違い、伝統音楽への想い、そして5月14日開催のBrand-New TRAD 2022についてなどを語ってもらう。

ぜひコチラもチェック頂きたい。

三弦奏者 新良幸人 × 津軽三味線奏者 寂空 -JACK- 対談・後編 「スゴく遠いけど スゴく近い」沖縄市にあるMusic Town 音市場にて2022年5月14日に開催される「Brand-New TRAD 2022」。今回Onigiri Mediaでは、このイベントに出演するTHE SAKISHIMA meetingの新良幸人と、The Shamisenistsの寂空-JACK-によるオンライン対談を実施。アツくて、深くて、ワクワクする2人のやり取りの全てを前後編にてご紹介する。(後編)...

The Shamisenists
5月13日 那覇市ライブ

2022年5月14日 沖縄市・Music Town 音市場 にて開催される、The Shamisenists、THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)、そして民謡クルセイダーズが出演する伝統音楽の最新型を紹介するイベント Brand-New TRAD 2022

その前日5月13日に、The Shamisenistsは那覇市にあるSound M’sでもライブを行う。ゲストは、沖縄市生まれのシンガーソングライター 福田八直幸(ふくだやすゆき)

詳しくは以下記事またはSound M’s Websiteにてチェック頂きたい。

Sound M’s
https://soundms.okinawa.jp/live_schedule/the-shamisenists/

ちむどんどん The Shamisenists 初沖縄ライブ -那覇 calling- 5月13日開催 ゲスト 福田八直幸沖縄市で2022年5月14日開催される「Brand-New TRAD 2022」に出演するThe Shamisenists(ザ・シャミセニスト)が、前日5月13日に那覇市 Sound M's でライブを開催。ゲストは福田八直幸(ふくだやすゆき)。...

クラウドファンディング

現在 The Shamisenistsは、クラウドファンディングサイトごえにて「ザ・シャミセニスト日本制作アルバム応援プロジェクト」を実施中。

アメリカの音楽レーベル『COLOR RED』でリリース予定のワールド・デビューアルバム制作前に、日本での活動の集大成となるアルバムを制作する為のクラウドファンディングとの事。

某集期間は2022年6月15日まで。こちらも併せてぜひチェック頂きたい。

ザ・シャミセニスト日本制作アルバム応援プロジェクト
https://ubgoe.com/projects/173

ABOUT ME
おにぎり1号・Tomoko Davies-Tanaka
Onigiri Media メイン・ライター おにぎり1号こと Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big) は、フリーランスPRエージェント。海外⇔国内、英語⇔日本語業務を中心に、スモールビジネスのPR業務のサポート他、コーディネーションやブッキングも行っています。 インタビュー記事 https://ledgeweb.com/740/