メディアに掲載されている情報の源となるプレスリリース。この特集ではプレスリリースとは何か? どう書けば良いのか? 掲載される為のテクニック等を、6回にわたる連載でご紹介していきます。
3回目の今回は、大手メディアだと1日1000通以上届くと言うプレスリリースの中で、記者の目に留まるテクニックを、日本最高峰のコピーライティング賞を総なめにした伝説のコピーライター・竹島靖氏に聞きます。
Written by Freelance PR
Team Little-Big
Contents
掲載率アップ・テクニック編
プレスリリースの書き方のお作法 [その1] と [その2] ではプレスリリースの基本的な事についてご紹介しました。
今回ご紹介する [その3] と、次回掲載の [その4] では、 掲載率アップ・テクニック編として、送ったプレスリリースをメディアに取り上げてもらう為のアレコレについて、ご紹介したいと思います。
https://onigirimedia.com/2019/11/28/pressrelease-osahou1/
https://onigirimedia.com/2019/12/06/pressrelease-osahou2/
いくら送っても、記者の目に留まらなければ情報は掲載されない
さて、メディアに情報を紹介してもらう為にプレスリリースを作り、送っても、記者の目に留まらなければ掲載されません。
冒頭でも書きましたが、大手メディアだと1日に1000通以上も届くプレスリリース。
今回はそんなに沢山プレスリリースが届く中、どうやって記者の目に留まるか? その秘訣を伝説のコピーライター・竹島靖氏に聞きます。
伝説のコピーライター・竹島靖氏プロフィール
東京の広告制作プロダクションを経て1994 年に独立。
グラフィック広告、テレビCM、ラジオCM、イベント、ホームページの企画・制作などを行う。ハイブリッドコピーライターをコンセプトに掲げ、企画・文章・トークの発生する、すべての分野でコトバをデザインする。
「伝説のコピーライター」として全国の企業や地方自治体等に対し、「キャッチコピーの重要性と考え方」を説く講演や研修、コンサルティングを行う。
日本最高峰のコピーライティング賞を総なめにし、過去に15 の広告賞を受賞。日本初の「住育研究家」でもあり、住育の講演やトークライブなども多数行う。
1-2-3の法則
メディアにアンケートを取ったところ、最も多かった1日に受け取るプレスリリースの数は 11~49通。その内、開いて内容を確認するのは10通程度。
ではその開いて内容を確認する時の決め手は? と聞いたところ、送信メールの件名(及びメール本文)と言う結果が出ています。
参考サイト:日経クロストレンド・風雲!広報の日常と非日常 よりマスコミ相手のメール配信は「78文字」で勝負が決まる
では、どうすれば記者の目に留まる「メールの件名」を付けられるでしょうか?
竹島さん曰く、そこには「1-2-3の法則」があると言います。
- 一言で言える言葉が強い。
- 何を言うか? どう言うか?
- 鮮度、角度、深度
1. 一言で言える言葉
1の「一言で言える言葉」とは、ハッシュタグになる様な、点も丸もない、みんなが使える言葉だと竹島さんは言います。
他の言い方をすれば、シンプルだがインパクトの強い短い言葉と言えるかもしれません。
2. 何を言うか? どう言うか?
2の「 何を言うか? どう言うか? 」このキーワードの説明の時に竹島さんが口にした言葉は「ソイ・テリーヌ」です。
「ソイ・テリーヌ ???」 って感じですが、冷静に考えてみましょう。
ソイは大豆の事。テリーヌはペースト状にした食材を四角く固めた食べ物的な…つまり「豆腐」を言い換えただけでした。
「何を言うか? どう言うか?」は、「豆腐→ソイ・テリーヌ」の様に視点や切り口を変えて「紹介するモノや事」を考えてみると言う事でしょう。
相手に「なんだろう?」と思わせる、視点や切り口を変えた件名付けは確かにインパクトがあります。
3. 鮮度、角度、深度
3の「鮮度、角度、深度」は、1と2を組み合わせたキーワードになります。
- 「鮮度」
「紹介する事」がいかに新しい出来事なのかをアピールする事になるかと思います。チラシ等でも良く見る「新発売!」や「新鮮!」、または「新登場!」や「〇月New Open!」等が該当します。 - 「角度」
2で紹介した「紹介する事」をどんな切り口、視点で紹介するか? - 「深度」
その「紹介する」事や情報の深さを表すキーワードです。
とは言え長々説明する事=深度でも無いとの事。「深度」の説明の際に竹島さんが例えたのは「池上彰」さん。
確かに言われてみれば「この〇〇は、××では△△と説明されていて、□□と言った効果があると言われています」なんて言い方を池上彰さんは良くされますが、それを聞くと「へぇ~」と思ったり、何か深い感じがしますものね。
つまり紹介する情報の、ちょっとした背景等を盛り込むと、情報の深度が深まる=相手の興味をそそり、もっと知りたい、取材してみようと言う気持ちを膨らます事が出来る「かも」知れません。
※因みに2と3については「メールの件名」だけではなく、メール本文の書き方にも関係してきますが、これについては後述致します。
情報の送り手はアツい・情報の受取り手は忙しい
意外と忘れがちなのが、この視点です。
情報を伝えたい側、紹介したい側は「ぜひこの情報を掲載して欲しい!」と、力を入れてプレスリリースを作成し、心を込めて(期待も、願いも、念も込めて)メディアに送ります。
しかし、メディアは1日に多い所では1000通以上もプレスリリースを受け取っているのです。さらに言えば通常業務も行い、取材や会議等も行っています。
つまり「情報の受け手側」は多忙であり、プレスリリースに眼を通す事は、必要と分かっていても「面倒くさい」作業かも知れないのです。
相手は自分のプレスリリースだけを受け取っている訳ではない。
この視点は、往々にして忘れがちですが、非常に重要なポイントです。では「忙しく」「面倒だ」と思っている相手に対して、アピールする為にはどうしたら良いか?
竹島さんは「コアを捉える事が大事」と言います。
プレスリリース上の文面はもちろんですが、送る時のメール件名や、メール本文等で「どう言うプレスリリースなのか」ひと目でわかる工夫をする事が、大事だと言う事です。
「一言で言うと○○」「早い話が〇〇」
メールの件名で、相手に興味を持ってもらえたとして、次のステップはなんでしょう?
そうです。添付したプレスリリースを開いてもらう為には、メールの本文も重要になります。
件名ではフォローしきれないかった情報を、メール本文でアピールし、添付したプレスリリースや資料を開いてもらう事につなげる。
その為に生きてくるテクニックが「1-2-3の法則 」の、特に2と3です。
・何を言うか? どう言うか?
・鮮度、角度、深度
この2点、さらに竹島さんの言う「コアを捉える」と言うアドバイスも踏まえ、プレスリリースを送る際のメール本文を考えてみましょう。
沢山のプレスリリースを毎日受け取り、チェックする事が「面倒だ」と感じている多忙な相手に対して、どんな本文が有効でしょうか?
「メール本文を読んで、内容がザックリとわかる」「より知りたいと相手の興味を喚起する」
この2点がメール本文を作成する場合のポイントであり、添付したプレスリリースや資料を開いてもらう鍵と言えるのではないでしょうか?
つまり 情報のコア=一番伝えたい部分を捉えて、簡潔に魅力的に書く
それが 「一言で言うと○○」「早い話が〇〇」 と言う事です。
Twitterは最強のトレーニングの場
ところで今回の記事の小見出しは、 シンプルでキャッチー、かつ分かりやすいと思われませんか?
これらの小見出しタイトルは、取材をした際に、竹島さんのクチから実際に出たワードを使用しています。つまり竹島さんの頭の中は、常に「キャッチコピー」を作る態勢になっているんですね。
でも、コピーライターでは無い我々は、頭の中が常にそう言う発想が出来る態勢にはなっていません。つまり「キャッチコピーを作る筋肉」は発達していません。
そんな我々に対して竹島さんは「Twitterって言う、最強のトレーニングの場があるじゃないですか?」と言います。
確かにTwitterには140文字と言う制限があります。簡潔に物事を書く、コアを捉えた文章を書くトレーニングには適した場と言えるでしょう。
竹島さんは「バズる事が評価の全てではない」と言います。
人に見せる事によって相手にどう伝わるかを知る事も出来るし、ハッシュタグはそれこそ「一行力」を考え、生み出すトレーニングには持ってこいだと言います。
因みに竹島さんはTwitterで #一行力 と言うハッシュタグを付けたTweetもされています。ぜひ一度チェック。また #一行力 をつけてつぶやくと、竹島さんがあなたの「一行力」をチェックしてくれるかも知れませんよ。
キャッチコピー実践セミナー
今回、簡単にご紹介した「一行力」やキャッチコピーの作り方について、より具体的に知りたいと言う方に朗報です。
2020年1月29日(水)に、竹島さんのキャッチコピー実践セミナーが、東京・恵比寿にて開催されます。
■イベント紹介
本セミナーでは、日本最高峰のコピーライターの登竜門である「宣伝会議賞」の金・銀・銅賞など、過去に15の広告賞を受賞した伝説のコピーライター竹島靖を講師に、「いいコピー」の作り方の基礎を学び、ワークを通して「スルーされないコトバ術」を体験していただきます。
企業のマーケティング担当者はもちろんのこと、自社のブランディングを考えている経営者、個人で活動するフリーランスの方は必見の内容です。未来を生き抜くための「スルーされないコトバ術」をともに手に入れましょう!
■竹島塾オープンセミナー
伝説のコピーライター直伝! キャッチコピー実践セミナー
[概要]
開催日:2020年1月29日(水)
時間:19:00~21:00
※講義終了後、有志で懇親会を実施予定。
場所:VALCREATION会議室
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-4-8 ウインド恵比寿ビル2F
※ 『恵比寿駅』徒歩7分程度
参加者:12名(先着順、事前申込み制)
参加費:5,000円
講師:竹島 靖
[内容]
・なぜ今、コピーを作成する技術が必要なのか
・コピーをつくる上で気をつけること「目的が手段を決定する」
・コピーはセンスではなくロジカル「一行力の法則」
・コピーの切り口を見つける「ブレーンストーミング」
・竹島靖「コピー48手伝授」+ワークショップ+総評
・スペックよりもストーリーが重要な現代
申込他・詳細は https://valcreation.co.jp/2019/12/takeshimajukuos4/ にてご確認下さいませ。
プレゼント
さらに! 竹島さんから、大変太っ腹なプレゼントをいただきました。
竹島さんのセミナーで使用される キャッチコピーの作り方の極意が書かれた資料「#キャッチフレーズでまちおこし」を、特別に3名の方にプレゼント致します。
ご希望の方は、2つのハッシュタグ #一行力 #竹島さんからのプレゼント希望 をつけて、Tweetしてください。応募期間は2020年1月5日までといたします。
応募期間中に、上記2つのハッシュタグを付けてTweetされた方3名様に、竹島さんのセミナーで使用される資料をプレゼントいたします。 ぜひふるってご応募くださいませ。
※応募多数の場合は、厳選なる抽選にて当選者を決定。当選された方には2020年1月5日以降、Onigiri MediaのTwitterアカウントよりDMをお送りいたします。(DMをお送り出来ない場合は、当選権利は無効となります。ご注意ください)
※当選者の発表は、当選をお知らせするDMをもってかえさせていただきます。
プレスリリースの書き方・他記事
https://onigirimedia.com/2020/02/06/pressrelease-osahou-putimatome/
https://onigirimedia.com/2019/11/28/pressrelease-osahou1/
https://onigirimedia.com/2019/12/06/pressrelease-osahou2/
https://onigirimedia.com/2020/01/16/pressrelease-osahou4/